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2008年中にもキャリアが採用?--PALTEK、HSDPA対応フェムトセルのデモを披露

永井美智子(編集部)2007年06月28日 21時11分
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 PALTEKは6月27日、英picoChipおよび米Wintegraと共同で、新無線ソリューション「フェムトセル」のデモンストレーションを行った。

 フェムトセルは「ホーム・ベースステーション」とも呼ばれ、オフィスや家庭内に設置する携帯電話基地局のことを指す。フェムトセル機器を設置することでブロードバンド回線から携帯電話網に接続できるため、携帯電話を屋内で固定電話として使用する「FMC」にも対応できる機器として注目を集めている。

 picoChipのCEOであるギアム・デサティエ氏によれば、同社はWiMAXや第3世代携帯電話(3G)などの無線チップを提供する企業という。デサティエ氏は近年、固定電話の利用者が減少し、VoIPの利用者が増加していると指摘。3Gキャリアの売上は伸びているが、今後は無料のIP電話やSkypeといったサービスの台頭で、無線市場は飽和状態になると予測する。

 この状況でキャリアはどんな施策をとるべきか。デサティエ氏は3つの解決策を提示した。ひとつは、複数の通信規格を利用できるデュアルモード端末により、FMCサービスを提供することである。欧州では携帯電話通信の3割から4割が家庭内から行われており、この割合は米国で5割、中国では6割と高くなっている。ただし、固定電話として使用する場合は携帯電話に比べて通話料金が大幅に低くなるため、キャリアにとっては莫大な収入源を犠牲にするリスクが伴う。

 第2案として、屋外に設置する基地局である「マクロベースステーション」の増設も考えられるが、マクロベースステーションは屋内での通信をカバーすることが難しく、コストの割に効果を期待できないとした。そこで第3案として、フェムトセルを挙げた。フェムトセルは飽和状態になりつつある無線市場における新たなソリューションとして期待されており、その証拠としてABIによる2011年の市場予測が、2006年8月に発表された1890万台、2400億円から、2007年5月には3540万台、3900億円へと上方修正されたことを紹介した。

 フェムトセルはもともと英picoChipが提唱したコンセプトであり、同社はワンチップでのベースステーションの開発に成功している。2007年第3四半期にはフィールドトライアルを開始し、2008年第1四半期にはサービスが開始される予定だという。キャリアはフェムトセルをサービスに追加することで、低いコストで屋内カバー率を上げることができる。また、WiMAXやEV-DOにも対応していることなどが同社の優位性であるとしている。

 Wintegraは通信プロトコル技術を核に持つ半導体企業。特にフェムトセルにおいては、picoChipのチップからのデータをいろいろなプロトコルに変換する部分を担当しているという。

 カスタマー マーケティング ディレクターのトレイ・オプレンデック氏によれば、Wintegraは2Gから4G(2015年には登場すると見られている次世代携帯電話規格)までのワイヤレスインフラをカバーできる技術があり、WiMAXに対応する新たなチップ「WinHDP-2」もリリースしたばかり。今回、デモで使用されたフェムトセルにも、英picoChipの「PC203」チップとともに採用されている。スケーラブルで信頼性が高いことが特徴だという。

 実際にフェムトセルのデモも行われた。ただし、日本での通信事業者免許を取得していない関係から無線基地局として使用できないため、本来無線で接続される部分は有線での接続となっていた。デモでは、ノキア6680携帯電話端末と、1台をウェブサーバに見立てた2台のノートパソコンとの間で通信を行った。

 このフェムトセルはHSDPAに対応し、200メートルの範囲内にいる4人のユーザーが下り最大7Mbpsで接続可能という。なお、2007年度中にはHSUPAをサポートし、上り速度が最大2Mbpsになるとのことだ。

 なお、日本では免許の関係からPALTEKが独自のサービスを提供するのではなく、機器をキャリアに提供する形での展開になるという。すでに数社から打診を受けており、特にソフトバンクは高い興味を示しているとのことで、2008年後半には詳細を発表できる可能性が高いとしている。

PALTEKのフェムトセル デモの様子。フェムトセル本体は大きめの筐体だがスペースに十分な余裕があり、小型化が可能なことがうかがえる。

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