インターネット広告費は、数年前からますます増加傾向にある。Advertising Ageは、毎年恒例の米国広告支出額上位100社を発表した。その内容はほぼ予想通りであったが、これは現在目の当たりにしている状況を裏付けるものである。インターネット広告費は今や、米国の広告支出上位100社の総支出額の5.5%に相当する。その総額は100億ドル近くにも及び、インターネット広告費はラジオ広告費とほぼ同額で、屋外広告を超えている。
では広告費が減少したのはどの分野だろうか?テレビ広告のシェアはピーク時には70%近くを占めていたが、16年連続で毎年低下している。米国の広告収入のうち、現在テレビ広告が占める割合は59%未満である。新聞広告は1960年代に大きく低下し、それ以降は少しずつ回復していたが、2000年以降はまた減少している。2000年の新聞広告費は総広告売り上げの16%であったが、2006年には12%未満となっている。雑誌広告売り上げは、1970年以来比較的安定しているが、つまり飛躍的な増加もしていない。雑誌広告は今も総広告収入の第2位を維持している。つまり主要な広告媒体の中で、インターネットが一人勝ちしていることがわかる。
広告支出額が最も高い企業はProctor & Gambleで、49億ドルである。第2位はAT&Tで33億ドル強、第3位はGeneral Motorsで33億ドル弱であった。以下、Time Warner、Verizon Communications、Ford Motorと続く。
他の自動車メーカーとしては、トヨタ自動車が第12位、DaimlerChryslerが第14位、本田技研工業が第21位、日産自動車が第23位で、いずれも年間10億ドル以上を支出している。その他の上位企業としては、第12位のソニーが20億ドル弱、第15位のSprint Nextelが17億ドル以上を支出している。
技術系企業はどうだろうか?Microsoftは第45位、Dellは第47位、Hewlett-Packardは第51位で、いずれも支出額は10億ドルに満たない。Appleは第89位で、Philips Electronicsは第98位と何とか上位100社に食い込んだ。
上位100社のうち、2006年にオンライン広告への支出が最も大きかったのはVonageで、同社の総広告費の3分の1以上に相当する1億8500万ドルを支出した。オンライン広告支出第2位はAT&Tで、1億7000万ドル弱であった。以下、Dell、Walt Disney、Verizonと続く。
テレビ広告費はインターネット広告費よりもまだ500億ドルも多い。インターネットとテレビの広告費が逆転すると予測する人はいるだろうか?それは、テレビが、著作権保護されたコンテンツのほとんどを今後も支配下に置き続けるかどうか、またはインターネットサイトがスポーツの生中継や大スターによるオリジナル番組を開始するかどうかによるだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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