Adobe Systemsの新しい電子ブックリーダ「Adobe Digital Editions」のデザインには、「単純明快に」を意味するKISSの手法が取り入れられているようだ。
Adobeは米国時間6月19日、「Adobe Digital Editions 1.0」をWindowsおよびMacユーザーに無料でダウンロード提供することを発表した。
同アプリケーションは、Appleの「iTunes」でオーディオデータを処理したり、Googleの「Picasa」で写真を整理したりするのと同様に、デジタルテキストファイルを保管、分類、閲覧し、注釈を付けることができる。
両製品との大きな違いは、Adobeのアプリケーションには自動検索およびインポート機能が搭載されておらず、インターネットで書籍を検索し、ダウンロードするための直接的なポータルがない点だ。
アプリケーション自体は、主に2つのモードで操作する。ライブラリモードでコレクションを管理し、リーディングモードで個々のeBookおよびPDFファイルを処理する。
Adobe Digital Editionsは、あらゆるPDFファイルおよび.epub(International Digital Publishing Forumの標準規格)ファイルと互換性がある。ファイルの読み込みは、アプリケーションウィンドウにファイルをドラッグ&ドロップするか、ライブラリメニューから「Add File」を選択して行う。
Adobe Digital Editionsで書籍を閲覧する場合は、サムネイル表示や、タイトル、著者名、出版社、最後に読んだ日付け、ページ数、コレクションに加えた日付、状態などに従ってリスト表示させることができる。権限情報といった、ファイルに付与されたメタデータも読み込める。
Adobe Digital Editionでは、プレイリストに当たる機能は「ブックシェルフ」と呼ばれている。ライブラリ全体から、画面左側にあるブックシェルフにデータをドラッグ&ドロップし、書籍、雑誌、その他のデジタルドキュメントをジャンルや種類、ソースごとに分類できる。
書籍は画面の大きさに合わせて両面見開きか片面表示することができる。
同ソフトウェアが非常にシンプルな作りになっているのは、「Sony Reader」への実装が意図されているためだ。
ベビーブーム世代に大きな活字が必要になれば、Sony Readerは、人気の携帯電子ブックデバイスになるだろう。普通はベストセラーしか大活字版が出ないことを考えると、フォントサイズを変更できる軽量かつ見た目の良いこのPDA風デバイスが、重たい大活字本に取って代わるのは確実と思われる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」