有力ネットベンチャーには、独創的な発想で考え出したビジネスプランを具現化する優秀な技術者たちが存在する。新しい商品やサービスは、彼らの存在なくして日の目を浴びることはない。有力企業の成功ストーリーを支えてきた技術者の実像が今、語られる。
2007年5月、ついにmixiのユーザー数が1000万人を突破したミクシィ。単純計算すると日本人の約12人に1人がmixiユーザーということになる。
ここまで巨大化したmixiは、いったいどのように運営されているのだろうか──。同社CTOでmixi生みの親である衛藤バタラ氏に、mixi開発部の内実を聞いた。
インドネシア•メダン出身のバタラ氏は、1979年生まれの28歳。日本の大学に留学中の1999年からインターンとして、イー・マーキュリー(現ミクシィ)の転職情報サイト「Find Job !」の開発運営にコミット。そして、大学卒業後も日本に留まり、同社に入社する。
そして、2004年にmixi開発を笠原社長に進言し、日本最大のSNSサイトに成長させる重要な役割を担い続けてきた。
「mixiの運営は、常に負荷分散との戦いで、ひとつひとつ課題を乗り越えながら運営している状況です。ユーザーが1万人の時代は、比較的気楽に新しいアプリケーションも追加できたんですが、1000万人規模のユーザーとなると、導入にも慎重にならざるをえません。システムを改善するにしても、サービスをストップさせるわけにはいかないので、いつもオン・ザ・フライでやっています。しかし、どれだけユーザーが増えても、迅速にアプリケーションを追加できるフレームワークの構築を目指しています」
同社の開発部は、Find Job !グループ、mixiグループ、システム運用グループ、研究開発グループ、ウェブデザイングループの5つに分かれている。開発部の社員は、現在30名で、平均年齢はおよそ26歳。システム開発には、「LAMP(Linux、Apache、MySQL Perl/Python/PHP)」を利用しているため、オープンソースの専門家が多いという。
「さまざまなバックグラウンドを持った人間が集まっているので、お互い刺激を受けながら仕事をしています。開発部は5つのグループに分かれていますが、完全な縦割り組織ではなく、クロスオーバする部分もあり、フレキシブルで、情報共有もスムーズです。オープンソースコミュニティの研究会やセミナーにも積極的に参加して、これまでに培ったデータを分析して発表しています」
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