NECとNECマグナスコミュニケーションズはこのほど、既存の電話配線を利用して、配線距離100m以内の範囲で上り、下りともに100Mbpsの固定通信速度を提供する技術を独自に開発し、専用LSIにより実現したと発表した。
この技術は、配線距離を限定することで高速化を実現するもので、一般的なxDSL技術とは異なるメタル伝送技術となっている。両社はこの技術を専用LSI「MG100」として実現した。
MG100は小型化および省電力化を図り、独自インターフェースに加えIEEE標準のFASTEthernetを装備、電話線、UTPでの使用が可能になっている。このため、さまざまな通信機器や端末機器への応用・組み込みが容易で、今後増加する高速通信を必要とする映像伝送やアプリケーション用途などへの対応が可能としている。
この技術を製品化したシステム「ESU」シリーズは、センター側のESUコンセントレータ「ESU-C8」と、端末装置「ESU-R」で構成され、既存の電話配線で上り下りとも100Mbpsの固定通信速度を実現する。また端末装置は小型で、センター給電によりAC電源が不要であることなどが特長となっている。
このため、小規模集合住宅などでのネット接続やIP電話サービス提供に最適な製品としている。また、イーサネットケーブルの敷設が困難な場所で、既存の構内回線などを利用した高速通信の提供にも適している。なお、単体対向型の「ESU-C/R」も用意される。両社は6月中に販売を開始するとしている。
両社は今後、ESUシリーズの積極的な販売活動を展開し、ホームネットワーク市場や監視市場をターゲットとして国内外の通信事業者、配線工事会社をはじめ、システムベンダー向け組み込み型製品としても販売する計画で、今後1年間で20万ラインの販売を見込んでいる。
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