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オンライン書店の第2世代に切り込むブークス - (page 2)

瀬井裕子(編集部)2007年06月13日 21時10分
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本は強いマーケティングデータになる

 井上氏は起業前、請け負いでシステム開発などを行っていた。ところが2002年、あるオンライン書店のシステムの発注元だった会社が倒産。納品してもお金を受け取れなくなってしまう。その頃、JTBパブリッシングが運営するオンライン書店のシステムも請け負っていたが、JTBの持株会社制移行に伴ってオンライン書店の事業を手放すことになった。それらのタイミングが重なり、井上氏は独立を決める。

 最初から現在のビジネスモデルが描けていたわけではない。しかし、ビットアイル社長との出会いなど、人のつながりの中から新たな可能性を見出していく。

 オンライン書店としては後発、ASPの提供もビジネスとしては一見シンプルだ。しかし、着実に成長するための戦略は練りこまれている。

 成長が見込まれる理由の一つは、オンライン書店のASPのニーズは高いと考えられる点。書籍の流通点数は約100万件あり、商品画像使用での著作権の問題も絡めるとそれらの商品情報をデータベースとして作り上げるには時間とコストが必要だ。物流の仕組みまで考えると一般的にオンライン書店の新規参入は難しいと言われている。

 一方で、書籍は嗜好性が強い商品のため、インターネットの各種コミュニティ向けに専門書店を作れば有力なECサイトとなる。そのためにbooxの導入を検討する企業は多いという。

 ブークスが提携しているカード会社でも、各社でマンガや女性向けなど売れ筋の傾向は違っているという。大手の電機量販店でもbooxを導入したオンライン書店が始まっており、今後もオンラインの専門書店は増えていくと見込まれる。

 さらに、将来的に発展する可能性を持つのは利用情報のデータ活用だ。本は嗜好性が高い商品のため、その利用情報は、性別や地域で分類したものではなく趣味やライフスタイルにまで踏み込んだきめ細やかなマーケティングデータとなる。ブークスはASPを提供する各オンライン書店の利用データをすべて把握し、そのデータの活用を次の展開への布石とする。例えば、そこから派生する広告マーケティングや、利用者の状況を出版社などに売ることなども考えられるわけだ。

 中期的には、グループウェアやブログとの提携などを検討しているという。また携帯電話向けサービスも展開していく。数値目標として、今秋をめどにシスコオンラインの会員数10万人、月商1億円を目指す。

office.jpg外苑前にあるマンションの3DKの1室がオフィス。広いキッチンもある。

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