カリフォルニア州マウンテンビュー発--技術系企業グループによると、PCの電力系はもっとよい状態になるべきであるという。
GoogleやIntelを含むPCやそのコンポーネントを製造する企業らは米国時間6月12日、PCのエネルギー効率の向上を目指すClimate Savers Computing Initiativeを立ち上げた。
同イニシアチブの最大の目的は、PCメーカーや消費者により効率的な電源や電圧レギュレータの採用を促すことである。これら2つのコンポーネントの組み合わせにより、壁ソケットのAC電源がコンピュータが使用する12VのDC電力に変換される。
Googleのフェロー兼オペレーションズ担当シニアバイスプレジデントであるUrs Hölzle氏によると、壁ソケットからPCに供給される電力の約50%は、実際には何にも使用されないという。エネルギーの半分は熱に変換されるか、ACからDCへの変換の過程で何らかの形で消費されてしまう。また、平均的なサーバに供給される電力の約30%は失われると同氏は付け加えた。どちらの場合においても、電力はコンピュータが何の処理も実行しないうちに失われている。その後もさらにエネルギーが、アイドル状態のPCで消費されたり、他のコンポーネントにおいて熱となって消散したりする。
よりエネルギー効率のよいコンポーネントを採用することにより、PCやサーバは供給された電力の90%以上を有効に利用することができる。実際Googleのサーバは、すでに90〜93%のエネルギー効率を実現している。
Hölzle氏は、「これは技術的な問題ではない。90%のエネルギー効率を持つ電源はすでに市場に提供されている」と述べた。
問題はコストにあると、IntelのDigital Enterprise GroupのシニアバイスプレジデントであるPat Gelsinger氏は述べた。このようにPCの電力効率を向上させるためには、PCの小売価格は約20ドル、サーバのコストは約30ドル高くなる。
Gelsinger氏は、この価格差をなくす方法を考えることも同イニシアチブの目的の1つであると付け加えた。カリフォルニア州のPacific Gas and Electricなどの電力会社は、エネルギー効率のよいPCを購入した消費者にキャッシュバックを実施している。量産が進めば、将来的には追加で必要となるコストが削減できるだろうと同氏は述べた。エネルギー効率のよいPCやサーバが、まず日本、欧州、北米で普及し、その後に中国のようなよりコスト意識の高い市場にも普及するようになるかもしれない。
この組織は、PCのアイドル時間を減らしたりすることで、電力消費量を削減することも目指す。Gelsinger氏によれば、とくに最適化されていないPCは通常、年間30ドル分の電力を消費するという。PCを最適化することで、この数字を10ドルにまで落とすことが可能だと、同氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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