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メタデータによる“右脳の補完”で進む「ネットとリアルの融合」 - (page 2)

取材・構成:松島 拡2007年06月21日 18時02分
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ニューラルネットワーク化するメタデータの連係

 チャットロボットにどうやって言葉の意味を理解させるのか、という疑問を持つ人もいるだろう。しかし、感覚的な言葉の意味を、会話エージェントにいちいち理解させる必要はない。

 例えば、「ブッ飛んだ音楽が聞きたい」という発言に対し、辞書的な意味での「ブッ飛んだ音楽」を理解させた上で行動させるのはナンセンスだ。「ブッ飛んだ音楽」はあくまで「ブッ飛んだ音楽」のままでとどめ、メタデータとして「ブッ飛んだ音楽」に分類されているものを、CGMから引っ張ってくればいい。

 こうすることによって、辞書を使わないアプローチが可能になる。栄枯盛衰が激しいCGMの世界では、辞書への過度な依存はむしろ現実的ではなく、感覚的な言葉の宝庫であるCGMを辞書代わりに活用した方が有効なのだ。

 手前味噌になってしまうのだが、ここで読者の方々の理解を深めるために、弊社のサービスを具体例として紹介したい。

 C2cubeの口コミ高感度を計算できるブログ検索「BuzzTunes」では、450万のブログの情報を常にクロールし、その中でどんなことが話されているかを構文解析した上でデータベース化している。こうしたブログデータベースに人と会話を行うためのアルゴリズムを持った機能をつなぐことで、世のブログで語られていることを網羅したチャットボット(チャット+ロボット)が生まれる。

画像の説明

 チャットボットは、会話を重ねることで、ユーザーに対する認知が高まり、学習していくことができるだろう。それにより、人間の要求に対して、逆に何かを提案してくるエージェントも登場するだろう。これまでのコンピュータのように、人間が能動的に、すべての情報を準備することは要求されず、より受動的に情報を得られる、より“右脳的”なコアインターフェースが誕生するとわたしは見ている。

 その意味で、今までのウェブは、きわめて“左脳的”な存在だった。ウェブページがハイパーテキストという文字情報からできているということで、どうしても左脳的にならざるを得ないし、検索というアプローチも、検索する人間の側があらかじめ何を知りたいのかをはっきりさせてから能動的に参加する、ということで非常に左脳的といえる。かろうじて右脳的だったのは、ストリーミングビデオや、音楽といったコンテンツの部分だけである。

 パソコンやウェブの登場以前の世界では、むしろ左脳的なものは特殊で、かつ渇望されていた。人間の脳にとって不得意な分野、記憶や計算といった能力を補完するものとしてコンピュータが登場したのだから、その延長線上にある現在のウェブが左脳的なのは、ある意味当然のことといえる。

 しかし、パソコンやウェブがコミュニケーションの手段となったことで、左脳的な世界の中に右脳的なものが必要とされ、それぞれの関係に無理が生じ始めた。例えば、人間の右脳に働きかけ、購買の動機付けをする動画コンテンツの広告効果を、クリックレートという左脳的な方法で測定する、というようなことが行われ始めたのだ。現在のウェブは、高価なものや性能のはっきりしている商品を買うときには効果を発揮するが、食品など、右脳的な判断で買う商品にはほとんど無力なのだ。

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