米国上院が今週議論し、物議を醸している移民に関する法案が現実のものとなれば、シリコンバレーの企業は合法外国人労働者をファーストフード店やショッピングモールの店、トラック運送業者と奪い合うことを余儀なくされることになる。
雇用主がスポンサーになる現行のグリーンカードシステムに代わって、移民ビザ申請者の受けてきた教育や職歴に基づいて一定数の移民ビザを発給するという新システムでは、数の限定されている移民ビザをめぐって予測できない競争が発生する見通しがあるため、現行システムの維持を求めて議員に働きかけているIT業界の支持団体らはこれに猛反発している。
主にハイテク業界の企業団体や個々の企業からなるCompete Americaといった支持団体によれば、新システムによって、外国人の求人や雇用に関する現行システムの予測可能性が徐々に失われ、政府が能力審査プロセスに介入しすぎることになるという。今回の法案では、教育レベルや家族構成、英語能力、「需要の高い」職業かどうかといった評価項目によってランク付けするポイントシステムに基づいてビザの発給が行われることになる。
カナダやオーストラリア、英国で長く運用されているシステムと似たものとなる今回の変更では、現在提案されている貢献度に基づくシステムでは、一定の基準に基づいて高得点(最高100ポイント)を得た外国人に対して最終的に毎年約38万枚のグリーンカードが発給されることになる。この法案は「Secure Borders, Economic Opportunity, and Immigration Reform Act of 2007」(PDFファイル)と呼ばれている。
Bush政権や上院議員のEdward Kennedy氏(民主党、マサチューセッツ州)のような主要上院民主党議員を始め、同法案を支持している人々は、今回のようなシステムの見直しは、「高いスキル」の労働者と「低いスキル」の労働者のいずれもが米国において永住権取得のチャンスを得られるよう保証し、高い教育を受けて英語が話せる、専門分野または需要の高い分野で働くことのできる外国人の待遇を改善するために必要であると述べている。
提案されているシステムでは、職種や言語の堪能さといったカテゴリ別に割り当てられたポイントを単純加算していく(最高は100ポイント)ようになっている。例えば、修士号を取得していれば20ポイントが、英語が堪能であれば15ポイントが、労働省によって過去10年間に最も成長したと認定された職種であれば16ポイントが与えられる(最新の調査は2004年から2014年までを予測しており、コンピュータ科学者や登録看護師、調理師、ウェイター、清掃作業員、メイド、店員、受付、オフィス事務員、トラック運転手など幅広い職業を対象としている)。
GoogleやAppleなどの企業が今後の製品を成功させるために極めて重要だと見なす優秀な40歳コンピュータプログラマーは、看護学校を卒業したての未経験の看護師よりもスコアが低くなる可能性がある(若い労働者は追加で3ポイントを与えられる)。もしこのプログラマーが英語に堪能ではなく、看護師が英語に堪能であった場合や、プログラマーが科学やテクノロジ、工学、数学分野の正式な教育を受けていない場合はさらにこうしたことが起こりえるだろう(看護師がこれらの教育を受けていればさらに8ポイントが加算される)。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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