ワシントン発--Bush政権は米国時間6月1日、「仮想的な」国境防護壁を建設する方針をまとめた。これにより、米国への不法入国を監視する計画だ。
Bush大統領と米国土安全保障省長官Michael Chertoff氏はワシントンの別々の場でスピーチをしたが、その際に両氏とも「ハイテク技術」を利用した防護壁を建設することを言明した。これは政府主導で進めている、不法入国者対策の一環だという。
Chertoff氏は、独立系シンクタンクBrookings Institution主催の国家防衛に関するイベントで講演し、本計画が「米国民を1つにまとめ、国境監視員を強化することを可能に」する「21世紀の提案」だと考えているという。Bush政権はまた、2008年までに6000人以上の監視員を増員する計画を発表した。これはBush氏が大統領に就任した当時の2倍に相当する人数である。
計画の詳細は明らかにされていないが、モーションセンサーや赤外線カメラ、無人航空機(UAV)など、すでにある程度用いられているあらゆる装置を広範に使用することになると両氏は言及している。
上院も先週可決した移民法案をバックアップするものだとして、こうした考えを支持している。同法案は国境を監視するため、「UAVや気球レーダーなどその他監視装置」を含む新しい技術計画を策定するよう連邦捜査局に指示している。同法案は広範に渡り大いに議論を呼んでいる。
しかし、本計画に誰もが賛成しているわけではない。下院では、計画案に対する資金の割り当て作業を担当する委員会の議員らが2006年初頭の公聴会で(本計画に対して)懐疑的な態度を表明した。これは、ある政治家が、いままでの実績を考慮すると国境監視技術に関する分野は「浪費的」であると指摘したことを受けたものだ。米国土安全保障省監察総監室は2005年夏、既存の監視プログラムには多くの欠点があるという報告書(PDFファイル)を発表した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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