ジョナサン・シュワルツ氏:「1年間CEOをやってみて」 - (page 3)

文:Stephen Shankland(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2007年06月06日 08時00分

――疑いは持っていますが、イエスです。

 それはビジョンとは関係がなく、基本契約に関する問題ですね。ある期間中は同じ価格で購入できるというような。相手がCitiGroupやJPMorgan Chase、Deutsche Bank、あるいはFederal ExpressやNTT DoCoMoやフィリピン政府のようなところなら、実際ビジネスをするのは簡単です。問題は、小さな企業がSunと取引するのを簡単にするのはうまくいっていないということです。それは私のせいです。改善しましょう。

――あなたは、1年目の事業年度の最後の四半期で4%の売上高経常利益率を挙げることを公約されていましたが、それは今期です。結果はどうでしょうか。そして、同様に2009年の事業年度の10%の目標についてはどうでしょうか。もし達成できなければ?

 それを達成する計画がなければ、そういうガイドラインは設定しません。それらのガイドラインは、われわれがどのように活動の優先順位を付けているかという感触を伝えるために設定したものです。私はそれらのガイドラインが未達成の場合には埋め合わせをする仕組みを内部で設定していますから、株主はわれわれがこれに責任を持っているということを知っています。もっと具体的に言えば、われわれはこの目標を達成しない人々を罰する方法は持っていませんが、彼らがその目標を達成するためのツールと資源を持っているということです。

――140億ドルの年間売上から年間2兆ドルの情報技術関係支出を狙って行くために、どのようなことを手がけていますか。

 研究開発の効率を上げるためにわれわれがやっていることは、全て共通ライセンスに向けて、公共コミュニティインフラに向けての動きです。われわれは、ソフトウェアプラットフォームを提供し、市場を惹きつけるために公共的な仕組みを設けようとしています。

 われわれのハードウェアプラットフォームを見てもらえば、フォームファクタの数を減らしていることが分かってもらえるはずです。同じインフラ、同じフレーム、同じラック、同じ電源、同じ排熱機構で、Intelでも、AMDでもSparcでも選んでもらえます。われわれは未来がどうなるか、市場に何を提供するか、共通の定義を設けようとしています。

――オープンソースライセンスであるGPL 3の採用を考えているということでしたが。

 われわれは、GPL 3が開発者コミュニティと同様、商用コミュニティにも安全と安定を与えてくれる統一ライセンスへの合流の機会を与えてくれるのではないかと、大いに期待してくれています。商用コミュニティはオープンソースの影響を心配しています。ある企業が世界中にそれは安全ではないと言いふらしているからです。オープンソースコミュニティとわれわれは、ソフトウェアがオープンソースの形で自由に利用できて、しかも安全で堅牢なものになり得ると信じています。われわれは、それによって、開発者も顧客もわれわれとやりとりするのが単純で簡単になるものにしたいと考えています。

――あなたは自分のことをSunの体現者だと思いますか。明らかに、ある程度まではあなたはSunを公的に代表する人物です。

 私はSunの公的な顔になりたくはありません。Sunのイノベーションやそこで働く人たちにこそ、公的な顔になって欲しいと思います。私がCEOとしてやっている数少ないことの1つは、組織の文化を作ることです。私は今、Sunのリーダーシップのブランドを確立するという面白い運動をしているところです。

 Sunのリーダーは勇気があり、その勇気は改革の勇気、協調の勇気、誠実に活動する勇気――これには実際いくらか勇気が必要ですから――そして、それをゆっくり行う勇気です。批判や同じ世界観を共有していない人たちからの批評に喜んで耐えなくてはなりません。人々が「Sunとは誰だ」と言うときは、それは私ではありません。3万5000人の人たちを見ているのです。

――シリコンバレーでは、個性があって態度がはっきりした、カウボーイ的CEOのイメージがあります。Larry Ellison、Scott McNealy、Steve Jobsなどがそうです。これは危険だと思いますか?

 私は好きではありませんね。

――私は、あなたはそのカテゴリーに入るかも知れないと思っています。その理由の一部は、あなたの知名度です。尊敬していないとはとらないで欲しいのですが、あなたは大層なおしゃべりですね。色々なことについて話しますし、会話には加わる方ですし、多くの人を会話に巻き込もうとします。

 私はSunの代理として伝達係になるのは構わないのです。ただ、Sunが成功しているの理由は私がいるからだと勘違いをして欲しくないということです。それは本当ではありませんから。私が多くの個性的なCEOを見て思うのは、彼らは全ての意思決定を下す人たちであり、その結果、事業がうまく行っているということです。私がそれを好まないのは、単にリスク管理的な観点からです。もし彼らがバスにひかれたり、投獄されたり、ヨットから落ちておぼれたりしたらどうしますか。

 私は、そういうことは必ずしも顧客や株主が望んでいることではないと思います。私は、Sunにリーダーシップの文化を作る仕事に成功したいと思います。Sunにはブログを持っている人は多いですし、私は市場に対して発言するただ1人の人間にはなりたくありません。ただ、不協和音があればはっきりさせ、一貫性のあるメッセージを出していきたいと考えています。結局われわれがやっていることは何で、できることは何で、どうやって進めていくのか、というようなことです。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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