ジョナサン・シュワルツ氏:「1年間CEOをやってみて」 - (page 2)

文:Stephen Shankland(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2007年06月06日 08時00分

――オープンソースの動きの財務的な効果をどう評価しますか。Sunがダウンロード数を数えていて、誰が何をブログに書いているかに注意を払っていることはわかっています。それは全体像とどう結びつくのでしょうか。

 私の知っている全ての通信事業者は電話端末で売り上げを減らしていますが、通信事業者に「その事業はやめろ」という人などいません。通信事業者は、ユーザーを獲得するために電話端末に報奨金を払っていることを知っているからです。

 市場を見るときは、開発者がそのプラットフォームを導入する価値があると評価しているかどうかという観点が必要です。JavaOneに誰も来なかったらおそらく株価は下がるでしょうが、開発者イベントを開催して参加者が来れば、何か正しいことをやっているということを意味します。私の見方では、それはこの星にSunが何か貢献し続けているということを意味します。

――しかし繰り返しになりますが、それは全体とどう結びつくのですか。

 私は経済モデルで全体を結びます。そして、われわれはこの全てを追いかける非常に洗練された指標を持っています。ブラジルでのJavaダウンロードの増加にどれだけの価値があるのかを正確に言えるかということを考えましょう。それは5年後には、今よりも大きくなっているということは保証できます。正確にドルで表すことはできませんが。

――ドットコム時代にはSunに好意を持ってくれていた新興企業の信用を取り戻すのに手間取っているようですね。なぜでしょう。

 われわれは90年代後半に開発者コミュニティの姿を見失いました。その頃、われわれは(Sun以外のアーキテクチャの上の)Solarisに対する態度について、非常に悪い判断をしましたが、それについては完全に回復しています。おそらくわれわれはJavaのオープンソースコミュニティに対し、十分に注意を払ってこなかったのでしょう。われわれは世界の小さな企業には注意を払わず、大企業だけを見ていました。

 魚の方から船に飛び乗ってきて、世界で一番大きな船を造ることに集中しているときには、航海にはあまり注意を払わなくなるものです。われわれは本当に瀕死の体験をしました。今は航海に集中しています。顧客が何を気にしているかを知っていますし、気にしていることについての流行を知っていますし、二度とあんな経験をしないようにしています。

――Sunの復調は、どの程度が前経営陣のScot McNealy氏の成果で、どの程度があなたの成果ですか。

 われわれは最近、世界で5つの最も道徳的な企業の1つに選ばれたところです。これは私の成果でしょうか、それとも前任者のものでしょうか。われわれが20年後にその賞を受けたとしたら、私はそれを自分の手柄だと考えたいですね。現在の復活のどの程度が私の4ヶ月間の活動の結果かと言えば、ないに等しいでしょう。そのほとんどは、これまでにあったチーム、リーダー、イノベーション、パイプライン、研究開発への注力などの結果です。正直なところ、これはほとんどが、私の前に25年間、今私が座っている椅子にいた人物のものですね。

――あなたはビジョンを持つタイプの人です。経営効率などを心配するのは、つまらない仕事では?

 わたしが一日中話していること、やっていることは、全く違うことです。私は我が社の最高財務責任者であるMike Lemanとオフィスを共有しているのです。彼は見た目も豪華な椅子を持っていて、私は金属製の椅子に小さな机です。私は勤務時間ではなく、空いた時間にブログを書きます。それが、私の投稿がいつも1時過ぎになる理由です。われわれの顧客や開発者たちはまだSunに興味を持っており、われわれの株主もSunに興味を持たざるを得ないでしょうが、それはまた優先順位が違います。

――(写真共有サイト)SmugMugのDon MacAskill氏がブログで、サーバをもう1つ買う度にまたSunの人たちとやりとりしなくてはならないのをぼやいていましたが。

 それを改善するのが私の仕事だと思いますか?

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