検索サイトのAsk.comは米国時間6月5日、サイトのデザインや機能を一新した。これにより、アナリストたちに強い印象を与えることには成功したが、ユーザーをどんどん増やすほどのインパクトがあるかどうかはわからない。
Ask.comは長年にわたり、Googleとの競争で苦労している。調査会社comScoreによると、Googleが検索市場のおよそ50%を占める一方、YahooとMicrosoftに次ぐ4番手のAsk.comは市場シェア5%強で、AOLをわずかに上回っているという。
「すべては検索エンジンに対する忠誠心にかかっている」と、調査会社Forrester ResearchのCharlene Li氏は言う。「多少は状況が変わるだろうか。私はそうなると思う。最大の理由は、新しいインターフェースだ。このインターフェースにより、現在Ask.comを利用しているユーザーが、他のどの検索エンジンより、いっそうAsk.comを使うようになるのはまず間違いない」(Charlene Li氏)
調査会社JupiterResearchのアナリストBarry Parr氏も同じ意見だ。「今回の変更だけで、彼らが今の状態から抜け出てトップシェアの企業になれるとは思わない。とはいえ、ユーザーの多くは今回の変更を好意的に評価し、使って楽しいと感じるだろうと思う」とParr氏は語った。
新しいAsk.comの特徴は、デザインを一新し、機能を見直したことだ。たとえば、トップページの背景は、デフォルトではシンプルな白だがカスタマイズできる。新しい動画検索では、blinkxの技術が採用され、検索結果のサムネイル画像の上にカーソルを持っていくだけで、その動画をプレビューできる。通常検索とあわせて表示される画像の検索結果でも、サムネイルにカーソルを載せるだけで大きい画像が表示される。検索結果には、検索するユーザーが登録した住所が反映され、地元の企業やイベントが表示される。その結果をフォルダに保存し、他のユーザーと共有することも可能だ。さらに画像検索では、大きさ、種類などの条件でフィルタリングができる。
だが、最大の変更点は、あらゆる種類の検索が1つのページに統合されたことだ。検索結果のページは3つのパネルに分かれている(この特徴から、「Ask3D」との呼称がある)。左のパネルには検索ボックスがあり、検索対象を広げたり絞り込んだりできるほか、関連する検索結果も表示される。中央のパネルにはウェブサイトの検索結果が表示され、その中で最も適切と思われる検索結果(Smart Answers)が上位にくる。また、ウェブサイト名の横にある双眼鏡のアイコンにカーソルを持っていくと、そのページのプレビューと、ページをダウンロードするのに必要な推定時間が表示される。
右のパネルには、検索結果に基づいたその他の情報が表示される。たとえば、ある都市の名前を検索すると、その地域の現在の天気と現地時間が示される。映画を検索すれば、地元の映画館での上映時刻や、予告編、それに関連商品などが表示される。また、音楽グループを検索すると、地元でのイベント、ニュース、ビデオクリップ、楽曲へのリンクが表示される。
さまざまな種類の検索結果を1つのページにまとめようと試みたのは、Ask.comが初めてではない。Yahooもさまざまな改良を施し、Googleも5月に「Universal Search」というインターフェースを発表して大きな反響を呼んでいる。Ask.comは、動画、ニュースなどの検索結果を、ウェブサイトの検索結果とは切り離してページ上に表示しているが、GoogleのUniversal Searchではウェブサイトの検索結果といっしょに表示されるため、検索結果の一覧が非常に長くなる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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