Oracleは米国時間6月1日、SAPを提訴するために提出していた訴状を修正した。訴状では、ライバル企業であるSAPが同社のソフトウェアおよびサポート資料を、元のバージョンにあった小さな誤りまでもが一致するほど正確にコピーしたとしている。
2007年3月にSAPとその傘下のTomorrowNowを提訴したOracleは、TomorrowNowが同社のシステムにアクセスした際に、同社のプロプライエタリなソフトウェアとサポート資料をコピーして保存したと訴えていた。サードパーティーサポートおよびメンテナンスプロバイダーであるTomorrowNowは、Oracle傘下のPeopleSoft、J.D. Edwards、およびSiebelの顧客をそのターゲットとする。
Oracleは修正された訴状において、TomorrowNowは同社の著作権を侵害し、契約に違反しているという訴えを追加している。
SAP傘下のTomorrowNowは、他のサードパーティーサポートおよびメンテナンスプロバイダーと同様に、一般的には企業のシステムにアクセスして、顧客の契約の範囲内で必要な情報を取得することが許可される。しかしOracleは、TomorrowNowが組織的に、契約において必要となる範囲を超えて同社のファイルやソフトウェアにアクセスしたと訴えている。
Oracleは、例えば、Daylight Saving Time(DST、夏時間)に関するドキュメントを作成しており、 どのようにして同社のソフトウェアを新しい夏時間の変更に対応させるかを説明している。しかし同社は、TomorrowNowは2007年1月に2回にわたって同情報をコピーし、Oracleのロゴと著作権を自社のロゴと著作権に変更したと訴えている。
Oracleは、「SAP TN(TomorrowNow)のコピー版には、元の「DST Solution」に存在したがOracleが後に修正した小さな誤りまでもがそのまま含まれている。またSAP TNのバージョンでは、Oracleのロゴと著作権に関する記載があった箇所をSAP TNのロゴに置き換えている」と述べた。
SAPはこの訴えに対し、異議を申し立てる予定である。
SAPの広報担当であるSteve Bauer氏は声明で、「SAPはこの修正された訴状に対し、裁判所の予定に従って、7月までに回答する予定である。そのときにはSAPは、Oracleの申し立てに関する誤解を正す予定である」と述べた。「われわれは今回の訴訟に対し、強く異議を申し立てたいと思っている」(Bauer氏)
Oracleはほかの申し立てとして、同社のかつてのサポートおよびメンテナンス顧客であったYazaki North Americaのケースを指摘した。Yazaki North Americaは、ミシガン州を拠点とする大規模な自動車部品サプライヤーである。
Oracleは、「YazakiのOracle製品に関するサポート期間が満了する前月、Yazakiの証明書を持つユーザーが、「Canadian Payroll」「Homebuilder Management」「Real Estate Management」など多くのソフトウェア製品に関連する莫大な数のOracleソフトウェアおよびサポート資料をダウンロードした。いずれも米国で事業を展開する米国の自動車部品サプライヤーにはまったく関係のないものである」と述べた。
2006年12月後半の2週間に、Yazakiの証明書を持つユーザーが、1万1000ものそれぞれ異なるソフトウェアとサポート資料をダウンロードしたという。そのうち1500件に関しては、Yazakiはライセンスを所有していなかったとOracleは述べた。
Oracleの修正された訴状に対し、SAPは7月2日までに回答する予定である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス