Gearsはウェブベースアプリケーションの進化、特にオフラインの問題に関する進化における重要な一歩だと数人のGoogle専門家たちが語っている。
コンサルタント会社のSterling Market Intelligenceでプリンシパルを務めるGreg Sterling氏は、「Google Gearsにより、ウェブベースコンピューティングにおける数々の制約が解消されるだろう」と述べ、さらに次のように続けた。「Gearsの登場により、(Googleのアプリケーション部門は)Microsoftにとってこれまで以上に強力なライバルとなる。かつてのMicrosoftと同様に、Googleも自分たちの周りに開発者コミュニティーを積極的に築こうとしているのが分かる」
Sterling氏によると、同氏はGearsが短期的にMicrosoft Officeの市場シェアに影響を与えるとは考えていないが、長期的に状況が一変する可能性があるという。その最大の根拠は、Microsoft製ソフトウェアが有料であるのに対し、Google製アプリは無料という点だ。
「人々は、Google Docs & Spreadsheetsのコラボレーション機能を気に入っているが、これらのアプリはOfficeの代用品としてはまだ機能が不十分と一般には考えられている」(Sterling氏)
また、「The Google Legacy」の著者であるStephen Arnold氏は、「Gearsは、GoogleがつかんでいるMicrosoftの襟首をさらに上げている」と述べた上で、「技術革新が進むごとに、Microsoftは少しずつ酸素を奪われている。Googleが(Microsoftに対する)圧力を強めれば、Microsoftはさらに混乱するだろう」と付け加えた。
Googleで初めてのGears対応アプリは、「Google Reader」だ。Google Readerは、ブログや新聞記事のRSSフィード専用リーダーである。ユーザーは、Gearsのインストール後、手動でウェブから自分のコンピュータに最新フィードをダウンロードすれば、それらのフィードをオフライン状態で読むことができる。Huber氏によると、ユーザーの知らぬ間にプログラム同士が自動的に同期化できるようにすることが目標だという。
このGears対応Google Readerは、Googleのあるエンジニアが、同社のプログラムの一環として開発した。そのプログラムとは、Googleの従業員たちが、自分の週間労働時間の2割を自分自身のプロジェクトに使えるというもの。そのエンジニアは、Googleの定期往復バスで通勤中にGoogle Readerにアクセスできるようにしたいと考えた。しかしGoogle Maps担当のプロダクトマネージャーであるBret Taylor氏によると、その通勤バスが備えるインターネットアクセスは「あてにならない」場合が多いという。
Googleの関係者らは、次のGoogle Gears対応アプリについて語ろうとしないが、それとなくほのめかしている。例えばHuber氏は基調演説の中で、「私は個人的に、オンラインで利用可能なGmailやCalendarが開発されるのを楽しみにしている」と語っている。
カリフォルニア州サンノゼで開催されたGoogle主催の初の開発者向けカンファレンスGoogle Developer Dayには約1500人が参加した。参加者が予想よりも多かったため、Googleは会場を同社のメインキャンパスからSan Jose Convention Centerへ移さなければならなかった。同社は、テーブルサッカーゲームやビリヤード台、ビーンバッグチェア、スナック、飲み物などを会場に運び込み、ギーク受けする同社らしさを演出した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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