サンフランシスコ発--法律学教授でオープンソース関連の法律専門家であるEben Moglen氏は、自らも改訂に助力した「GNU General Public License(GPL)」の次期バージョンについて、広く普及するだろうと予測している。
Moglen氏は米国時間5月22日、当地で開催のOpen Source Business Conferenceにおいて、「GPL 3は、導入後1年以内に現在GPLを使用していない団体による採用が増加し、広く普及する」と予測した。「現在はハードコピーレフトを必要としないライセンスを使用しており、どのようなライセンスでも選択可能な立場にある多くの商業的に重要なプロジェクト」がGPL 3を採用することになるという。
Free Software Foundation(FSF)の創設者であるRichard Stallman氏の造語であるコピーレフトとは、ソフトウェアを変更し、配布した個人または組織はその変更を公開しなければならないというGPLの主要要件を指す語である。Apache Licenseなど、変更を非公開にし、オープンソースソフトウェアをプロプライエタリなソフトウェアに密接に組み込むことを許可する、より「寛容な」オープンソースライセンスも存在する。
Moglen氏は、フリーソフトウェアおよびオープンソースソフトウェアの世界では最も広く使用されるライセンスであるGPLの改訂というさまざまな議論を巻き起こしてきた作業をずっと見守ってきた。コロンビア大学ロースクールの教授で、かつてはIBMのプログラマであったMoglen氏は、FSFの顧問を退任するが、Software Freedom Law Centerという別の団体で今でも積極的に活動している。
GPL 3の初期の草案は、GPLを用いたLinuxカーネルを率いるLinus Torvalds氏を含む複数の団体からの大きな反対を受けた。しかしGPL 3の最新草案である第3版に対しては批判が減っており、Moglen氏はその将来について強気の予測を立てた。
Moglen氏は、「草案完成から4週間が経ち、主要な大きな変更に関しては同意に達した」と述べた。「すべての人が同じように不満を抱いていたが、それは当然通るべき道である。そして今、全員でこれを完成させることができた」(Moglen氏)
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