吉と出るか凶と出るか--マイクロソフト史上最大aQuantiveの買収 - (page 2)

文:Elinor Mills(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2007年05月21日 10時43分

 aQuantiveはワシントン州シアトルを拠点とし、Microsoft本社のあるレドモンドとはそれほど離れていない。同社はホールディングカンパニーであり、広告仕入および管理ツールの「Atlas Media Console」、ユーザー行動に合わせた広告の仕入と再販を行う「Drive Performance Media」、McDonald'sやNike、Microsoftを顧客に抱えるクリエイティブエージェンシー/広告ブローカーの「Avenue A | Razorfish」を傘下にしている。

 Cantor FitzgeraldのアナリストであるDerek Brown氏は、「aQuantiveは、ネット広告業界でかなり大きな存在感のあるベンダーだ。デジタルメディアバイヤーのなかで、最大もしく有数の規模を誇る1社だ」と語っている。

 Atlas Media Consoleを使うと、広告主が広告キャンペーンの仕入れや管理をウェブサイトで行えるようになる。Brown氏は「これは、Google、Yahoo、Microsoft、そして多くのサイトをはじめ、ウェブ全体で展開される広告への参入の土台をMicrosoftに提供する。歴史的に、Microsoftはこのようなものを持っていなかった。しかも、これは新しい収益の流れを生み出す」と語っている。

 Microsoftのプラットフォームおよびサービス事業部を統括するKevin Johnson氏によると、オンライン広告市場の世界規模は現在400億ドルとされ、今後数年は毎年最低20%は成長する見込みという。

 同氏は、「われわれは、大規模な広告ビジネスの構築に深く関わり、最大の努力を行っている。将来のサービスを支える収益機能に対する今回の投資は重要な意味を持つ。われわれは会社として戦略的な手だてを講じていた。今後は、ソフトウェアにサービスをプラスする概念への転換をさらに進める。ネットワークのエッジ部分で運用するインテリジェントなデバイス上のソフトウェア製品を、ネットワーク経由で配信するサービスによって補完する。これらのサービスの多くはオンライン広告で収益を確保することになる」と語っている。

 DenuoのシニアバイスプレジデントであるTim Hanlon氏によると、オンライン広告関連のほかの統合と同じように、利害の衝突を回避しようとすればMicrosoftは課題に直面するという。Denuoは、広告代理店であるPublicis Groupeのコンサルティング事業部の1つ。提案されているMicrosoftとaQuantiveの合併は、広告主向けに広告スペースを購入するメディアエージェンシー、広告配信技術プロバイダー、そしてMSNのスペースを販売するベンダーを1カ所にまとめ、広告スペースの売買が同一社内で完結するようになると、同氏は語っている。

 Hanlon氏は、「同じ企業の一部となった彼らの中には、特定のソフトウェア、ハードウェア、あるいは技術に対し、制度的もしくは内部的な偏見を持って集まっているものもいるため、もし自分がマーケティング担当者だったら代理店選びにはかなり慎重になる必要がある。これらの衝突が原因となって、何が同社に残り、何がスピンアウトされて売却されるのかはまだ分からない」と語っている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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