セキュリティ関連のパスロジは5月17日、迷惑メール(スパム)を完全に防止するウェブメールシステム「ecomail(エコメール)」の提供を開始した。
スパムを防止するには、ホワイトリストやブラックリストなどを利用したフィルタ方式が主流だが、フィルタが高度化すると、そのフィルタを抜ける迷惑メールが送信されるなど、いわゆる「いたちごっこ」の状態になり、完全に防御するのは困難とされていた。
エコメールは、基本的にすべてのメールを遮断した上で、「エコメール利用者から送信したことがあるメールアドレス」からのメールのみを受信する仕組み。
この機能は、通常のスパム対策などでも利用されているが、エコメールではさらに、米国特許取得済みのサイクリックメール方式と、「パスロジ!ASP」サービスによるメールアドレス登録方式を機能に追加することで、いたちごっこを防ぐという。
サイクリックメール方式では、エコメール利用者が相手先にメールを送信した際に、自動的に「その相手先専用の返信用メールアドレス」が生成、通知される。招待されない限りはメールを送信できず、また、万が一招待用メールアドレスが漏洩したとしても、他者は利用できないという。
パスロジ!ASPサービスは、携帯電話認証で利用するシステム。エコメール利用者宛にメールを送信するためには、携帯電話を利用して自分のメールアドレスをパスロジ情報センターに登録する。登録に個人情報は必要ない。
登録されたメールアドレスからエコメール利用者のアドレス宛にメールが到着すると、エコメールシステムが招待用メールアドレスを自動作成して返信する。送信者は、その招待用メールアドレス宛にメール本文を送信することになる。
パスロジ!ASPに登録したメールアドレスは、携帯電話と関連付けされるため、その送信者を拒絶設定すると、送信者が携帯電話を買い換えない限り、2度と招待を受けられなくなる。また、スパムや脅迫、詐欺、中傷など、法律に抵触するようなメールについては、携帯電話キャリアに蓄積された情報により送信者の身元を特定できるため、これらの犯罪を抑止する効果もあるという。
従来、掲示板やブログにメールアドレスを記載することは、スパムが大量に届くようになるため、現実的ではないとされていた。エコメールを使用することにより、メールアドレスを一般公開する不安がなくなるとパスロジでは説明している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?