韓国をはじめ各国の放送関連機器などを紹介する「第17回国際放送・音響・照明機器展示会」(KOBA)が5月15日、ソウルで開幕した。「Human in Digital Age」をテーマに行う今回は、「新技術パビリオン」として2005年から本放送を開始している携帯端末向け放送(T-DMB)関連技術を集中展示。また、優れた通信環境を背景に拡がりを見せるIPTV関連技術もメインのひとつとして展示された。
韓国内の地上・衛星放送を携帯電話などに向けて発信するT-DMBは、日本の「ワンセグ」より1年早いタイミングでスタートした。韓国情報通信部(MIC)の積極支援もあり、若者層を中心に高い普及率を誇る。サービスはワンセグ同様、広告収入による無料放送で、通常テレビ放送のほか、カーナビに対応した道路交通情報(韓国の公共放送・KBSが提供)など携帯端末に特化したサービスも行っている。
「新技術パビリオン」では、T-DMBを中心とした国内の携帯端末向け放送関連機器が一同に集結。サービス内容から送出システムまで、T-DMBの全体図を見渡すことができる。加えて、ワンセグやMediaFLOなど、韓国以外の国でスタートしている携帯端末向け放送に関する内容も展示されていた。
韓国内の電子計測メーカー・DTVインタラクティブのブースで紹介されていた「ISG300K」は、日本の放送方式であるISDB-Tの信号を発生させる機器。これは端末製作時、実際に信号を受けて動作確認などを行うために使用するもので、韓国内の携帯端末メーカーがワンセグサービスに対応した端末製作に取りかかっている状況を示している。
同社によれば、サムスン、LG電子など主要な携帯電話メーカーに向けてすでに100台以上を出荷。さほど遠くない段階で「韓国製ワンセグケータイ」が市場に登場することになりそうだ。
米国で2006年末からスタートし、日本での実施を目指して話題を集めている米国式携帯端末向け放送「MediaFLO」は、T-DMBと異なる有料放送サービスということもあり「別収入増を目指す韓国放送事業者からは上々の評価を受けている」(クアルコム)という。韓国では日本ほどの拒絶反応は受けていないようで、いざ実施となれば放送事業者からのスムーズな協力を得られるとの自信をのぞかせていた。
今回のイベントについてKOBA2007事務局の韓国E&EX代表の金忠振氏は「放送技術というジャンルにおいて、これまで韓国が特に優れているという状況にはなかったが、T-DMBやIPTVによって世界からも注目を集めるようになってきた。今回のKOBA展を契機に、韓国放送技術の国際化を図っていきたい」とコメントしている。展示会は5月18日まで行われ、4日間計6万人程度の来場者が見込まれている。
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