UPDATE ReutersとThomson Corporationは現地時間5月8日、両社ビジネスの統合について交渉中であることを共同発表した。
Reutersは4日、相手先企業の名前は伏せたうえで、買収の予備的な打診を受けていることを明らかにしていた。一方、Thomsonは7日、その打診をしたのは自社であることをプレスリリースで認めていた。ただし、ThomsonもReutersも、これが正式な買収提案につながるかどうかは分からないとしていた。
統合後のグループ名はThomson-Reutersを予定しており、カナダのトロント証券取引所と英国のロンドン証券取引所に重複上場する形になる。またThomson FinancialやReutersの金融・メディア事業の新名称にはReutersが用いられる。買収総額は88億ポンドの見込み。
買収は、Reutersの株主には1株あたり352.5ペンスの現金と、Thomson株0.16株を付与する形式で行われる。Reutersが予備的打診を受けていることを明かした3日のThomson株の終値(1株あたり48.46カナダドル)に基づくと、Reuters株が1株あたり705ペンスと評価されたことになり、実際の3日のReuters株の終値に対し43%のプレミアムがつくと共同プレスリリースには書かれている。
また、両社はこのたびの発表について、交渉が合意に達することを保証するものではないと強調している。
Reutersは中立性と一貫性を守り、特定の個人や利害関係者の支配により生じる偏向を排除する目的で、株式構造に特殊な仕組みを組み込んでいる。同社の規定では、Retuers発行の株式を15%以上保有してはならないことになっているほか、公開株とは別に、特定の議決権を持つ発起人株というものが存在する。この発起人株を所有するReuters Founders Share Company Limitedは、特定の人物または関係者がReutersを支配下に入れた場合、または支配下に入れる画策をしていると判断した場合は、発起人株に付随する特別議決権を行使することができる。
買収が合意に達するか否かをめぐっては、Reuters Founders Share Companyの動向が注目される。
Thomsonはカナダを本拠とする情報サービス企業。法務、税務、会計、金融サービスをはじめ、学術研究やヘルスケア分野への幅広い情報サービスやソフトウェアを提供している。
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