SAPとMicrosoftは米国時間4月24日、両社の主要ビジネス向けソフトウェアの連携強化を目的とした共同プロジェクト「Duet」の提携を拡大する計画を発表した。この提携強化は、Duetの次期版の開発に向けた準備を進めることが目的だ。
Duetは、SAPの重要な企業向け管理アプリケーションとMicrosoft Officeとの連携を可能にするソフトウェア。SAPとMicrosoftは、Duet 2.0にいくつかの新機能を追加する計画だという。Duet 2.0は2008年末にリリースされる予定。また両社によれば、Duet 3.0は、SAP Business SuiteとMicrosoft Officeの次期版の発売後にリリースされる予定だという。
SAPの最高経営責任者代理(Deputy CEO)Leo Apotheker氏は、SAP主催のSAPPHIRE '07 Atlantaカンファレンスで、「MicrosoftとSAPは、Duet 2.0と3.0に関する提携関係の強化に乗り出す」と述べ、さらに「このロードマップに基づき、われわれは、さまざまな国向けのバージョンのための新たな言語サポートを追加する。それにより、Duetはさらに強力なアプリケーションとなる」と語った。
Duet 2.0では、新しい高度なビジネスシナリオ向けのエクステンションとして、MicrosoftのOffice SharePoint Serverを使用する。これらのシナリオでは、販売や供給チェーン管理に加え、構造化されていないプロセス、情報、グループコラボレーションもサポートするという。
しかし、今回の提携強化にも関わらず、SAPとMicrosoftのDynamicsアプリケーション部門は、同じ中小企業顧客をめぐり、時折争奪戦を繰り広げる可能性があることを両社は認めている。
「MicrosoftはDynamicsの開発を続け、われわれも自社製品で中間市場を追求し続ける。よって、われわれは時々、中間市場で遭遇し、互いの健闘を祈ることになる」(Apotheker氏)
またSapphire '07カンファレンスでは、SAPの最高経営責任者(CEO)であるHenning Kagermann氏が、同社のサービス指向型アーキテクチャ(SOA)が顧客の間で関心を呼んでいると述べ、さらに同社は、5年間のSOA製品ロードマップを完成したと語った。
Kagermann氏は、SAPの技術部門の責任者だったShai Agassi氏の辞任に言及し、SOAロードマップが完成したことを考えると、SAPの経営構造を変えるには適切な時期だったと述べた。
Kagermann氏は、「われわれはこの機会を利用して、ここ数カ月間に、以前から変えたいと考えていたことを変えた」と述べ、さらに「われわれは、より多くのマネジャーや個人が、SOAについて責任を負うモデルに戻した」と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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