長い間単色の縞模様というデザインだったバーコードが、今度はついにカラーになる。
バーコードには、すでにいくつかの変化が見られる。今でもスーパーマーケットの商品には標準的な縞模様のバーコードが広く利用されているが、日本では出荷ラベルや航空機の搭乗券など、あらゆる用途に2次元バーコードが一般的に利用されるようになっている。
Microsoftはいま、バーコードに色を加えることにより、これをさらに一歩前進させたいと考えている。
Microsoftの研究所でエンジニアリング担当ディレクターを務めるGavin Jancke氏は、「われわれは、色を使ってより多くの情報を(バーコードに)盛り込んでいる」と語る。Jancke氏がこの新しいバーコードフォーマットを開発した。このバーコードには、従来のバーコードよりも小さなスペースにより多くのデータを詰め込むために4種類あるいは8種類の色が使われている。また、この新しいバーコードは模様も変更されている。白黒の2次元バーコードには正方形が使われており、また従来の統一商品コード(UPC)のシンボルには交互に並んだ細い線と太い線が使われているが、今回の新しいバーコードには小さな三角形が使用されている。
このカラーバーコードは、特に映画、ビデオゲーム、レコードといった商用メディアへの利用が想定されている。Microsoftはすでに、AV作品へのラベリングの調整を支援する組織と契約を締結している。そのおかげで、2007年末までにHigh Capacity Color Bar Codeと呼ばれるこのバーコードがDVDで使用されるようになる予定だという。
この新バーコードを使用する目的は、DVDのディスク自体とそのパッケージのセキュリティを強化することにあるが、将来的には映画の予告編などの特別な機能を付加することも検討されている。
しかし、このカラーバーコードにもいくつかの欠点がある。まず、このカラーラベルに対する明確な需要が必要だが、それに加え、このバーコードには、かなり高品質な印刷が要求される。そのため、例えば出荷ラベルには適していない。また、このカラーバーコードは、標準的なバーコードスキャナーでは読み取れない。
しかし、そのような幅広い用途に利用可能と聞くと、かつて不運な運命をたどったCueCatを思い出す。CueCatは、ネコの形状をしたバーコードスキャナーで印刷物のバーコードを読み取ってPCに情報を転送するサービスだったが、普及には至らなかった。
しかし、Jancke氏には、自身が開発したカラーバーコードがCueCatよりも優れている理由が分かっている。
Jancke氏は、「CueCatの場合は、専用の特別なハードウェアをPCに取り付ける必要があった」が、Microsoftが開発したバーコードは、ウェブカメラや携帯電話のカメラなど、消費者がすでに持っている機器で読み取り可能だ、と指摘した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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