CBSは米国時間4月12日、ビデオクリップや映画全編を無料で共有できる、映像配信ネットワーク「CBS Interactive Audience Network」を発表した。
同放送局は、Brightcove、Joost、Veoh Networks、Sling Media、AOL、Microsoft、CNET Networksといった、さまざまなオンラインサイトや映像配信サイトと提携を結んだことを明らかにしている。
CBSの番組である「CSI Crime Scene Investigation」や「Late Show with David Letterman」「Survivor」「CBS Evening News with Katie Couric」などや、一部のスポーツ中継が配信リストに入っており、これらの映像を共有および視聴できるという。
コストは広告でまかなわれるため、すべてのコンテンツは無料で視聴可能だ。
CBSは、今回の取り組みは特定の組織やサイトとだけ協力して進める類のものではないと説明している。「歴史あるメディア企業としての立場から、できるだけ多くの次世代プラットフォームでコンテンツを提供することを目標にしている。あらゆるメディア企業が同様の方針を採用してくれることに期待している」と、CBS Interactiveの社長を務めるQuincy Smith氏は話した。
2007年3月には、News Corp.およびNBCがAOL、MSN、Yahooと提携し、ビデオクリップやテレビ番組、映画などをオンライン配信することを発表している。こうした新たなネットワークは、ウェブでは一番の人気を誇るビデオ共有サイト「YouTube」への対抗手段として作られたと見られている。
一方、YouTubeともパートナーシップを結んでいるCBSは、新たなビデオポータルを作る道は選ばなかったと、Smith氏は述べている。
「(NBCやNews Corp.が関わっている)映像配信のジョイントベンチャーは検討しているが、基本的には『実際に独立した立場を保てるにもかかわらず、他のメディア企業と排他的な協力関係を築くのは得策ではない』というスタンスをとっている」(Smith氏)
CBSが協力していくビデオサイトの中には、プロが作製したコンテンツの配信を始めたばかりというところもある。まだ、将来性の不確かな「Joost」や「Sling」といったプラットフォームとの提携は、パートナーシップに「柔軟性」を持たせてCBSの自主的な判断を可能にし、意思決定プロセスも多くの承認を待つ必要がないというメリットもあると、Smith氏は話した。
Joostは、SkypeおよびKazaaの創業者らが設立したオンラインビデオ新興企業だ。同社は今年2月に、Viacomとコンテンツライセンス契約を交わした。CBSとの提携によって、Joostのユーザーは、同サイトのインスタントメッセージングやその他のプラグインアプリケーションと組み合わせた各種の番組を試聴できるようになる。CBS側は、JoostがSkypeおよびKazaaと強く結びついていることから、各国の視聴者を取り込めると期待しているという。
ウェブ経由でスマートフォンやPCにテレビ番組を配信するデバイス「Slingbox」で有名なSling Mediaは、1月に開催された「Consumer Electronics Show」で、CBSとの提携を初めて公表した。Slingの新たなビデオ共有サイトである「Clip + Sling」では、Slingboxを利用しているか否かに関係なく、すべてのユーザーがCBS番組のクリップを共有でき、元の番組の全編を観ることも可能になる。
BrightcoveもCBSのコンテンツをユーザーが共有できるようにするが、こちらではユーザーがコメントを残したり、サイト上に用意されているツールを使ってクリップを編集したりできる。
そのほかには、AOLやMSNなどの大手ビデオポータルにおいて、短縮版もしくは全編という形でCBSの番組が観られるという。特にAOLユーザーは、同サイト上からCBS番組の内容をチェックし、当該のコンテンツに直接リンクで飛べるようになる。
Comcastおよび(CNET Networksの所有する)TV.comも、一部のCBS番組をサイトで提供する予定だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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