大手インターネットポータルAOL、MSN、Yahooは米国時間3月22日、メディアコングロマリットNBC UniversalおよびNews Corp.が新たに設立するオンラインジョイントベンチャーの映像コンテンツを配信することを発表した。この映像ネットワークは、2007年夏に開設を予定しており、複数のテレビネットワークと大手映画会社2社が提供するノーカットのテレビ番組、映画、映像クリップを配信する。
このような提携について、2006年夏頃から話が進行していたが、発生間もないオンライン映像市場では前例のないことである。
メディア企業が提携する理由は明確だ、とアナリストらは述べる。Googleが所有する映像共有サイトYouTubeが、映像関連ウェブサイトとしては一人勝ちを続けている。YouTubeは5分未満の映像にほぼ限定して配信を現在続けているが、同社がノーカットの映像配信を始めない理由があるか、一部業界筋の間では疑問視されている。
Forrester ResearchのアナリストJosh Bernoff氏は、「彼らにとってYouTubeはこの上ない恐怖の存在になっている。(ハリウッドは)著作権をないがしろにする強力なインターネット企業に特に慎重になっている」と語る。
YouTubeにコメントを求めたが回答は得られなかった。
一方、新しい動画サイトに参画する企業の大半は、YouTubeとの直接競合を明言したくない様子を見せている。News Corp.の最高業務執行責任者(COO)、Peter Chernin氏と、NBC Universalの最高経営責任者(CEO)、Jeff Zucker氏は22日午後に行われた報道陣との電話会議のなかで、GoogleのCEO、Eric Schmidt氏と新サービスに関する提携について同日話し合いを持ったことを明かした。
「これがYouTubeと真っ向から対決するサービスでないことは言うまでもない。幅広く配信することの力とメリットについては、われわれが以前から言及していた。実際、われわれのビジネス要件や著作権保護要件を満たすことに前向きならば、どことでも話し合う用意がある」とChernin氏は語っている。
提携条件として、NBC UniversalとNews Corp.の動画はいったん蓄積されてから配信され、AOL、Yahoo、およびMSNで視聴可能となる。新しい配信サービスはまず、「Heroes」「マイネーム・イズ・アール」「サタデー・ナイト・ライブ」「ザ・シンプソンズ」などのテレビ番組をノーカットで配信する。同ネットワークでは「プラダを着た悪魔」や「リトル・ミス・サンシャイン」などの映画も配信予定。
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