日本のベンチャーはラーメン屋型--Web 2.0時代のビジネスモデルを考える

永井美智子(編集部)2007年04月12日 12時02分

 「日本には『ラーメン屋ベンチャー』が多すぎる。口コミで広まって、行列ができるほどの人気にはなるが、日本の食文化を変えるほどにはならない」――ホットリンク代表取締役社長の内山幸樹氏は、日本のベンチャー企業の気質についてこう憂慮する。

 これは3月29日に東京都内で開催されたビジネスモデル学会2007年春季大会のパネルディスカッションの場で述べたものだ。

左から橋本大也氏、野村直之氏、内山幸樹氏

 内山氏が懸念するのは、米国のベンチャー企業との差だ。米国では世の中でまだ誰も手がけていないビジネスチャンスを見つけ、世の中を変えるけん引役になろうと狙う企業が多い。Web 2.0の分野であれば、新しいインターネット技術を利用した企業内システムが少ないことに目をつけ、参入しようとする。これに対し、日本では「そこそこ」で満足してしまう企業が多いというのだ。

 「Web 2.0時代は世界市場を相手にする視点をもたないと(海外企業に)つぶされてしまう」(内山氏)

 一方、ベンチャー育成の観点から、メタデータ代表取締役社長の野村直之氏は投資家の層の違いを指摘する。日本では米国に比べて「エンジェル」と呼ばれる個人投資家が少ない。「企業ではなく、経営者などの人に投資する資金が回らない限り、日本はシリコンバレーにかなわない」(野村氏)

 また、人材の観点からは、女性の積極的な活用が不可欠だと野村氏は話す。メタデータでは、社員6人のうち5人が女性で、スーパーエンジニアと呼ばれる人もいるという。「ダイナミックなキャリア変更ができるのは女性のほうが多い」(野村氏)

 Web 2.0時代に、ビジネスの鍵はどこにあるのか。データセクション代表取締役の橋本大也氏は、情報を引き出すことを支援する仕組みや仕掛けが重要になると指摘する。ユーザーが自分の持っている知識や情報を形にする道具としてはブログやデスクトップ検索などがあり、また、他者から引き出す道具としてはソーシャルネットワークサービスなどがある。また、過去の記録から情報を引き出す検索技術やランキングなどがある。これらを技術的、もしくはビジネス的に支援する仕組みが求められてくるとした。

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