MicrosoftはLonghorn Serverに、長らく話題になっていた「Network Access Protection(NAP)」など、いくつかの技術を追加した。NAPを利用すると、適切なウイルス定義ファイルやセキュリティパッチの適用を受けていないマシンがネットワークへ接続するのを防ぐことができる。
同社は、これまでのロールベースの設定の概念も拡張した。各種タスクの処理を目的としたサーバのセットアップが可能である。Longhorn Serverでは、ユーザーは目的のタスクに必要なプログラムのみをインストールできるようになっており、マシンが攻撃されて被害を受ける可能性を下げている。
サーバコアインストールのオプションを選択すると、最小限のOSのみがインストールされる。「Windows Explorer」もメディアプレーヤーも、グラフィカルインターフェイスもなしである。シンプルなコマンドラインのみが表示され「ファイルサーバ」や「DNSサーバ」のほか、新規に追加された「プリントサーバ」など、8つのロールから1つを選択することができる。ロールを選択すると、必要なものだけがインストールされる。
これまでのWindows Serverにおいて、OSを熟知しなければサーバのセットアップができなかったのと対照的である。Ralston氏は「Longhornでは、多くの複雑な部分を大幅に簡素化した」と述べた。
Microsoftはロールベースのモデル以外にも、Longhorn Serverを実行するサーバに対する攻撃の被害を減らす試みを行っている。ポートなどをデフォルトでオープンしておくのではなく、Longhorn Serverではすべて閉じた状態でインストールされる。Ralston氏は「すっぽりと盾で覆うことになる」と述べた。
Enck氏は、OSのセキュリティや管理性を向上させるものは何でも歓迎であると述べ、Longhorn Serverの個々の機能だけを見ると、興味深い点が数多くあるとした。
ただし同氏は、Windows Vistaで問題になっているのと同様に、目玉機能が不足しているため売上げは厳しいものになる可能性があると述べている。Vistaマーケティングチームが今、機能を掲げて、どれが受け入れられるのかを試しているのだとすれば、Enck氏は、Longhornチームはまだその前の段階にいるのだと述べた。
「まずどの機能を掲げようかを検討しているところだ」とEnck氏は述べる。
また、OSをアップグレードするだけでは、NAPやIPv6サポートといったLonghorn Serverの恩恵を受けられないという。
「Longhorn Serverでは多くの変更が行われているので、インフラを変更しないと、そのすべてを利用できない」(Enck氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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