Microsoftが、特許権使用料(ロイヤリティ)をほとんど、あるいは全く受け取ることなく、極めて重要な技術情報を競合他社に提供しなければならなくなる可能性があることが、ある新聞の報道で明らかになった。
Microsoftは、欧州委員会との和解の一環として、競合企業に特許を保有する特定のルーチンを販売している。Microsoftは当初、同社が特許を保有する特定のルーチンを使ったソフトウェアに対して5.95%のロイヤリティの支払いを求めていた。
しかし、英Financial Times紙によると、Microsoftに提示されたロイヤリティ料率は0%もしくは1%になる可能性があるという。同紙は、欧州委員会の極秘の内部文書で確認したと主張している。
その文書は、Microsoftと欧州委員会の合意に基づき、専門家であるNeil Barrett氏によって作成された。Barrett氏によると、ロイヤリティ料率が5.95%の場合、Microsoftの競合企業は7年以内に開発コストを回収できるという。Barrett氏は同文書の中で、(5.95%のロイヤリティは)受け入れ難く、1%でも多すぎると指摘している。
Financial Times紙の記事によると、Barrett氏は、Microsoftが(同社の)救済策として提案しているロイヤリティ料率は「法外な高さであり・・・この分析に沿って低減すべきだ」と述べているという。
また欧州委員会も、Microsoftが提案している解決策や1%のロイヤリティは、同社の競合企業にとって受け入れ難いものだと主張している。
Financial Times紙によると、欧州委員会は、Microsoftが提案するロイヤリティ料率では、(IBM、Sun Microsystems、Oracleといった)同社の競合企業が、ビジネス上の観点から存続可能な製品を開発できなくなると考えているという。
IBMら3社は、Microsoftの活動は非競争的であるだけでなく、同社は自社製ソフトウェアと完全な相互運用性を持つアプリケーションの開発を常に困難にしてきた、との見解を示してきた。
Microsoftの独占禁止法違反をめぐる欧州委員会と同社の争いは、2004年に欧州委員会がMicrosoftに対し最初に4億9700万ユーロ(6億6400万ドル)の罰金の支払いを命じて以来3年間、このような状態が続いている。それ以来、同委員会は、Microsoftに対し罰金を課し続けてきた。2006年には、同委員会はMicrosoftが最初の命令に従わなかったとして、同社に対し2億8000万ユーロ(3億7400万ドル)の罰金を課した。
Microsoftは4月23日までに、今回のロイヤリティに関する提案に返答しなければならない。
この件について、同社にコメントを求めたがすぐには回答を得られなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」