“技術×感情のメディア”へ、「Lycos」日本再上陸--動画連動型ブログからスタート - (page 2)

インタビュー:島田昇(編集部)、文:加藤さこ2007年04月05日 14時13分

--動画投稿サイトとしての独自性はありますか。

 閲覧数の多さだけでなく、ネタが良いものに対してもお勧めに挙げられるようにしています。この点は他社との差別化にもなっていますね。人気のあるコンテンツや新着で出しながら、お勧めは閲覧数が多いものに限らず、質の良いものを選んでいるわけです。

--ライコスクリップは今後、コミュニティサイトに向かうという展開ですか。

 韓国ではネットが流行っていて、メディアとしては新聞よりも優位性の高いものになっています。ネットメディアにパワーがあるんです。そのため、親会社である Daum Communicationsのサイトは、ユーザーにとってポータル的な存在になっています。日本の場合も、今後ネットメディアの影響力が強くなると思われます。

 ライコスクリップは、ユーザーが主人公で、参加して楽しんでくれれば良いと思っています。それがパワーになって、社会に影響を与えることができれば、メディアへと成長していけるでしょう。韓国のサイト同様、ライコスジャパンも動画サービスからスタートしてユーザーのアイデアを乗せる環境を作り、その次はコミュニティに発展、そしてメディアへの展開を目指していきます。

--これまでのポータルメディアは利便性を優先したサービスでしたが、そこにコミュニケーションを加味した要素が少なかったように思います。それが、現在では「自分にとってのポータル」というサービスが支持されています。

 それはとても重要な変化ですね。技術面が確立していても、人間的な感情をうまく連結できるかが今後の課題になってくると思います。バーチャルの中でいかにリアル生活に近いものを体感するか、これがキーになるでしょう。

--動画系サイトでは、著作権などの問題がありますが、ライコスクリップの動画に対するポリシーを聞かせて下さい。

 著作権問題はとても気になるところです。法律の整備、徹底対応を望んでいます。動画系サイトはプロモーションとしての活用もできます。ナショナルクライアントに受け入れられるように体制を整えていかなければなりません。そのため、違法に対しては警告し、応じていただけなければ最終手段で退会という姿勢を打ち出していく必要もあります。クライアントに広告をいただく上では、ファジーではだめです。ここは毅然とした態度で臨んでいきます。

 これを徹底した上で一般ユーザーが安心して楽しく利用できる環境を作っていくことが大切です。著作権問題をうまく解決して、どうすればコンテンツを楽しめるのか、今後も解決策を考えていきます。

--ライコスジャパンとして、日本独自のサービスはありますか。また、収益は検索連動型広告になりますか。

 日本独自のサービスには、タグ検索があります。これは米国ライコスにないサービスです。広告まで結びつけた形では、韓国でも実施していません。

 通常広告のバナー、メール、タグと連動広告は実施していきます。それに加えて動画系のタイアップ、プロモーションも視野に入れています。収益は広告プラスアルファですが、従来のネットの流れと違う点は動画を使えるところで、ブランディング要素を加えることができます。動画を扱う優位性を最大限に生かせるわけです。

--ライコスクリップ、そしてライコスジャパン全体についての今後の展開を教えてください。

 まず初年度はページビューとユニークユーザーを増やしていきたいですね。登録会員数に関しては、1年後に25〜30万人を目指しています。

 機能面では、米Lycosの「LYCOS MIX」などの導入を予定しています。LYCOS MIXの特徴としては、ブログ、動画、写真を一気に使える点。日本でもいち早く導入し、他社の動画系サイトよりも良いクオリティを提供できるようにしていきます。

 また、日本は他の国と比べて、モバイル文化が発達しています。PCとどう誘導していくかというのもこれからの課題になりますね。モバイル連動は視野に入れています。特に、この分野ではオリジナリティの強いサービスを投入しなければ勝ち残れないと思っています。

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