特許裁判により、今週にもサービス停止に追い込まれる可能性のあったインターネット電話プロバイダーVonageが、最悪の事態は免れる可能性が高くなった。
米証券取引委員会(SEC)に提出された文書によると、同社はVoIP Inc.の子会社でVoIPサービスの卸売りを営むVoiceoneと契約を結び、Verizon Communicationsが所有する3件の特許のうち少なくとも2件の代替技術の提供を受けることになったという。Voiceoneは、Broadwing CommunicationsやiBasis、Googleなどの大企業にもVoIPサービスを販売している。
VonageとVoIP Inc.が締結した契約の詳細は明らかになっていないが、VoIP Inc.が米国時間3月30日にSECへ提出した文書には、Vonageとの契約期間は2年間と記されていた。契約満了後、両社は月ごとに提携関係を延長することができる。
VonageにVoIP Inc.との契約についてコメントを求めたが、回答は得られなかった。
連邦判事は2007年3月、VonageのIP電話サービスがVerizonの所有する3件の特許を侵害しているとの判決を下した。同特許のうち2つはVoIP通話と従来の公衆交換電話網の接続に関するもので、残りの1つはWi-Fi電話経由のVoIP通話に関するものだ。
連邦判事は、Vonageは故意にVerizonの特許を侵害したわけではないとしながらも、Verizonに対する5800万ドルの損害賠償をVonageに命じた。米国時間3月23日、Claude Hilton連邦地方判事は、Vonageに問題の3件の特許を含む技術の使用を禁じる命令を下すと述べたが、禁止命令は4月6日まで発行しない意向を表明した。
判事が禁止命令の発行を発表して以来、Vonageと同社の200万人以上におよぶIP電話サービスユーザーは先行きの見えない不安定な状態に置かれてきた。一方では、数週間にわたり、もしくはVonageが判決に控訴する準備を整えるまで、判事が禁止命令発行を見合わせる可能性があり、もう一方では、VonageがVerizonの特許をこれ以上侵害しないよう、同社のVoIPサービスがただちに止められる可能性もあった。後者が現実になれば、Vonageはもちろん、電話サービスを利用できなくなる同社の顧客は大混乱に陥っただろう。
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