米国議会で民主党議員から「歴史に手を加えた」と非難されたことを受け、Googleは米国メキシコ湾岸地域の衛星画像を、ハリケーン・カトリーナ前のものから、より新しい「カトリーナ」後の航空写真に差し替えたと発表した。
Associated Pressが先週、Googleは自社のマッピングサービスに掲載していた画像を、2005年8月のカトリーナによって壊滅的な影響を受けた同地域の画像から、より解像度の高いカトリーナ前の平穏な画像に交換したと報じた。それ以来、同社は集中砲火を受けている。
Googleは米国時間4月1日、「歴史を書き換える」意図はなかったと発表し、それどころか、過去の画像と同程度に高品質な2006年のニューオーリンズの航空写真を「迅速に」作成することができたと述べた。同社は、データのアップデートを4月1日に実施したという。
当初Associated PressがGoogleのマッピングサービスに関して報じたことを受け、米下院の科学技術管理小委員会で議長を務めるBrad Miller下院議員(ノースカロライナ州選出、共和党)が3月30日、Googleの最高経営責任者(CEO)であるEric Schmidt氏による変更の説明を求める文書(PDFファイル)を送付した。
Miller議員は、議会の春季休会に合わせダルフール地区を訪問しているため、4月1日までにコメントは得られていない。同議員のコミュニケーションディレクターを務めるLuann Canipe氏によると、Googleは公式ブログ「Google Blog」で同社の状況を説明する内容を投稿したが、小委員会はいまだMiller議員の書簡に対する返答を待っている状況だという。
Canipe氏は電話によるインタビューで、「議員の懸念は、Googleに基本的な誠意がないということだ」と述べ、「もっとも、根本的な問題は、誰かがマップ画像を変更するように依頼したのかどうかと、もしそうなら依頼者は誰かということは間違いない」と語った。
Googleは、4月2日に議員の質問に対する回答を送る計画だとしている。同社はカトリーナ後の画像を2006年9月に交換したことを認めたが、その決定はユーザーに高品質の画像を提供するという意図によるものだという姿勢を改めて主張した。Googleの広報担当は、CNET News.comにあてた4月2日の電子メールによる声明で、変更は「ニューオーリンズを含め、世界中の多くの都市画像について、細部を大きく改善する」より広範なアップデートの一部であったと述べた。
Google EarthとGoogle MapsのディレクターであるJohn Hanke氏は、カトリーナ後の画像を削除した後であっても、特別サイトに掲載されているNational Oceanic and Atmospheric Administration(NOAA)が撮影したカトリーナの画像は引き続き閲覧可能だと説明した。NOAAの画像には、損害の判定や赤十字シェルターの所在地などを重ねて表示することができる。
公式ブログに先ごろ掲載された投稿でHanke氏は、最近のコメントはGoogleをやや戸惑わせるものだったとしている。Hanke氏は「Googleの目標は、即時性や解像度、雲量、光の状態、色のバランスを反映した、最高品質の、世界的な地理情報データベースを作成することだ」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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