Mellanoxは先週、InfiniBandと10Gビット/秒イーサネットの両方をサポートしたチップのサンプルを、顧客向けに出荷開始したと述べた。同社は、高速ネットワーク技術「InfiniBand」の利用を可能とするチップを開発している。
Mellanoxのプロダクト管理担当シニアディレクターであるDan Tuchler氏は、最終的にはこのチップを同社製品として、また、ネットワークアダプターカードの組み込みで販売する予定であると述べた。
InfiniBandは、まだその設計者らが望むほどには広く普及していないが、サーバとHPC(High Performance Computing)クラスタとの接続や、大規模データベースを共有するマシン間の接続に使用されている。Tuchler氏は、「密接に接続されたサーバ間で、大量のデータを迅速に低いレイテンシ(通信遅延)で転送する必要がある場合には、InfiniBandが適している」と述べた。
しかし、InfiniBandを推進する人々でさえも、イーサネットが引き続き主流となるだろうと予測する。そこでMellanoxの新しい「ConnectX IB」は、その両方をサポートする。
Linley GroupのアナリストであるJag Bolaria氏は、「InfiniBandは特定用途向けで、今後もそのような(10Gビットイーサネットに付随する技術という)位置づけになるだろう」と述べた。しかし、この市場を追求することにビジネス価値がないわけではない。同氏は、「この分野は、Mellanoxにとっては、非常に大きなチャンスとなる可能性がある。InfiniBandに関しては他に追従を許さない主導的な立場にあるからだ」と述べた。
Tuchler氏によると、Mellanoxは10GビットイーサーネットがInfiniBandに取って代わるだろうという予測をしばしば耳にするという。「われわれはそのような認識に絶えず立ち向かってきた」と同氏は述べた。InfiniBandには「基本的な相違点」があるため、ネットワークの混雑などの問題に関しては優れた特長を持つという。
イーサネットは、混雑の問題をうまく処理できない。データパケットは損失し、再送が必要になり、性能は著しく低下する。InfiniBandでは、ネットワーク上に空きがある場合のみ、新しいパケットが送信される。Tuchler氏は、「混雑がある場合、イーサネットは完全に性能が低下してしまう。InfiniBandでは基本的にそのようなことは起こらない」と述べた。
InfiniBandは現在、20Gビット/秒のデータ転送速度を誇り、Mellanoxの新しいテクノロジConnectX IBではさらに、1.2マイクロ秒(100万分の1.2秒)という非常に低いレイテンシが実現されている。Tuchler氏によると、今日の2.3マイクロ秒というレイテンシに対し、これは画期的な進歩であるという。
サーバ市場では、ブレードサーバ、マルチコアプロセッサ、仮想化が採用されるようになっており、Tuchler氏は、このような事実から高速にデータを転送する方法としてInfiniBandがより着目されることになるだろうと考えている。
同氏は、「市場におけるこれらの動きすべてが、入出力のボトルネックを解消することを目的としたわれわれの技術とうまく合致していると思う」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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