日本オラクルの業績が順調に推移しており、株価も3月下旬から急反発の兆しをみせている。同社の2007年5月期決算、さらには来期の2008年5月期の業績見通しも含めて同社の今後の株価動向を探った。
同社が3月27日に発表した2007年5月期の第3四半期(2006年6月〜2007年2月)の単独決算は、売上高706億円(前年同期比11.3%増)、営業利益248億円(同17.6%増)、経常利益250億円(同18.3%増)、税引き利益152億円(同23.1%増)の好調な決算となった。
企業の継続したIT(情報技術)投資の積極化を追い風に、主力のデータベースなどソフトウエアが金融機関向けをはじめ、通信、製造、サービスなどの各業種で大口案件の売り上げが立つなど順調な拡大をみせたことが寄与した。さらに、営業面で強化していたフュージョンミドルウエア分野でも、親会社の米国オラクルが積極的なM&A(企業の合併・買収)戦略で買収したピープルソフトとの相乗効果もあり、日本での顧客層がより広がったことも大きく貢献したようだ。
今回の第3四半期の決算が好調だったにもかかわらず、会社側は2007年5月期の通期業績の見通しについては、従来の売上高1010億円(前期比10.3%増)、営業利益355億円(同10.7%増)、経常利益355億円(同10.4%増)、税引き利益209億円(同10.3%増)と据え置いている。
これについて外国証券のアナリストは「オラクルの2007年5月期の通期業績は、第3四半期決算の進ちょく率などから判断して、会社側予想数値の達成は十分可能。小幅な上方修正の可能性も十分ありそうだ」としている。
来期の2008年5月期の業績については、M&Aによって加わったピープルソフト社製品の売り上げがフルに寄与してくることや、粗利益率の高いソフトウエアやサポートシステムの売り上げ増加、販売費の抑制継続も期待できることなどから売上高、営業利益とも10%を超える増収増益軌道が継続するもと予想される。
日本オラクルの株価は2006年12月13日に一時、5830円まで買い進まれたものの、その後は下落トレンドをたどり、3月19日には一時、5140円安値まで売り込まれた。しかし、その後は2007年5月期の第3四半期決算の好調さへの評価などから株価も反転上昇トレンドとなり、先週の3月30日には高値5710円へと急ピッチでの上昇をみせている。
先週末までに、わずか7営業日という短期間に10%程度の急上昇をみせたことから、目先的には小幅な調整は当然想定されるものの、中期的には好調な業績推移を反映して、株価も6000円台に乗せてくるものと期待される。
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