ニューヨーク発--Salesforce.comは米国時間2月27日、ウェブベースの新しいソフトウェアパッケージを発表した。ファイナンシャルアドバイザー向けの包括的な技術ソリューションとして大々的に売り込んでいく意向だ。
Salesforce.comの会長兼最高経営責任者(CEO)であるMarc Benioff氏と最高マーケティング責任者(CMO)のGeorge Hu氏の両氏が、この新しい「Wealth Management Edition」を発表した。両氏のプレゼンテーションはマンハッタンのミッドタウン地区にあるホテルピエールで行われた。Benioff氏は、この新製品は同社が金融サービス業界に重点を置きつつあることを示したものだとし、このホスト型「次世代デスクトップ」ソフトウェアを使えば、どのような規模の企業に所属するファイナンシャルアドバイザーでもクライアントに対応しやすくなる、と主張している。
「株式と投資だけでは不十分だ。今は関係管理が重要だ」とHu氏は語っている。
27日の発表では、先週ほのめかされながら、これまではっきりしていなかった「謎の大口顧客」の正体も明らかになった。謎の大口顧客の正体はMerrill Lynchで、同社の2万5000人のファイナンシャルアドバイザーが、試験運用に関する提携の一環として、Wealth Management Edition製品を試用している、とSalesforceは明かした。
この新しいソフトウェアを使えば、Salesforceのほかのクライアント関係管理(CRM)製品同様、企業やその従業員は、コードを書かなくても自分たちのニーズに合わせて機能をカスタマイズできるようになる。いわば、エンタープライズ分野のWeb 2.0だ。デスクトップコンソール上では、ウェブビデオのストリーミング、コールセンターとSkypeなどのインターネット電話サービスとのマッシュアップ、市場データ、SalesforceのApex技術で開発されたカスタムアプリケーション、といったオプションのデモが行われた。
Benioff氏とHu氏は、ハードウェア中心のインフラに代わるものとして同製品を大々的に宣伝した。Salesforceによると、ハードウェア中心のインフラは高価で導入も難しく、保守には専門の技術知識が必要で、今日のウェブツールの世界においては時代遅れだという。
「Bloombergのプロプライエタリなシステムサービスなど、現役のシステムは新しいウェブ技術から生まれたチャンスを活かせなかった」とHu氏は語っている。
Wealth Management Editionは、利用料がユーザー1人あたり月額500ドルで、2007年第3四半期に発売される予定。27日の発表によると、同新製品は金融サービス向けSalesforceパッケージの第一弾に過ぎないという。同社は、2008年以降にはウェルスマネジメントからバンキング、担保ローン、資本市場、保険などの各分野に進出していく見通しだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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