MicrosoftのチーフソフトウェアアーキテクトRay Ozzie氏は、Googleが万能だとは必ずしも考えていないが、同社がMicrosoftを目覚めさせたことは認めた。
Ozzie氏は米国時間2月27日、ネバダ州ラスベガスでGoldman Sachsが主催した投資家向けカンファレンスでアナリストを前に講演し、「経済を推進する意味での広告を理解する上で、Googleの成功がわれわれの業界とMicrosoftの転換点となったことは確かだ。同社はMicrosoftを目覚めさせてくれた」と述べた。
「MSN」や「Windows Live」の取り組みに多くの資源を投入するMicrosoftだが、ウェブ検索分野では広範囲にわたりGoogleに苦戦を強いられてきた。Ozzie氏によると、同社はまだ懸命の努力を続けているが、垂直系の検索、つまり業界やトピックに特化した検索に軸足を移しつつもあるという。同氏は、同社が今週買収した医療情報検索技術を開発するMedstory(本社:カリフォルニア州)に言及した。
Ozzie氏は、「とにかく試して欲しい。サイトに行って検索ボックスに自分の悩みを入力してみて欲しい。絶対に驚くと思う。そして、結果に大きく満足するだろう」と訴えた。
Ozzie氏によると、Medstoryの技術はまず「MSN Health」に追加されるが、最終的にはMicrosoftのLive検索エンジンにも幅広く組み込まれるようになるという。
Ozzie氏は、垂直検索のページは可能性の1つに過ぎないとし、シンプルで効率的な検索方法があれば、広告主はGoogle以外のものを喜んで探すだろう、とも付け加えた。「広告主は、ターゲットとするユーザー層にメッセージを伝えたいだけだ」と同氏は語っている。
広告に次いで2番目にGoogleがMicrosoftに与えた大きな影響は、ソフトウェアベースのサービスを提供できることの重要性を示したことだと、同氏は指摘した。Ozzie氏は、全社レベルで利用するサービスエンジンの開発に向けてMicrosoftが舞台裏で進める複数の作業に言及した。このエンジンは同社の全事業部が利用可能で、各事業部の製品に各種サービスコンポーネントを追加できるようになる。そして、これらのツールは社外にもいずれ提供されることになるという。
Ozzie氏は、「われわれは、このサービスプラットフォームの開発を続けてきた。社内で実現するスケールメリットを、サードパーティーの開発者や企業も利用できるようになる」と語っている。
Microsoftは、2005年11月にカリフォルニア州サンフランシスコで開催され、会長のBill Gates氏とOzzie氏が出席したイベントで、Liveオンラインサービスへの取り組みを初めて披露した。当初、取り組みの多くは既存のMSN製品をWindows Liveという名前に変えただけのものだった。だがMicrosoftは最近になり、「Windows Live Shopping」やWi-Fiホットスポットファインダーなど、一部のWindows Live製品をMSNブランドに戻している。
その後、Microsoftは同社の無償ウェブメールサービスからHotmailの名前を外す計画も撤回した。これについては、LiveとHotmailの両方を使い「Windows Live Hotmail」という名前を採用する。
これらのすべての新サービス機能に必要なコストについて問われたOzzie氏は、Microsoft最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmer氏と最高財務責任者(CFO)のChris Liddell氏に場を譲った。ただ同氏は、そのコストの多くが継続的に発生することを指摘した。
同氏は、「データセンターやインフラの構築が一定レベルで継続される必要がある。今後も継続的に投資が行われるだろう」と語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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