NHKなど、これまでより10倍高感度なハイビジョンCCDカメラを開発

ニューズフロント2007年02月13日 07時25分

 日本放送協会(NHK)、日立国際電気、日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、2次電子増倍型CCD(EM-CCD:Electron Multiplying Charge Coupled Device)をハイビジョン化し、同CCDベースの超高感度ハイビジョンカメラを開発した。NHKが2月9日に明らかにしたもの。同カメラの感度は、通常のハイビジョンCCDカメラに比べ約10倍高い。

 EM-CCDは、入射光によって発生した電荷を読み出し部まで転送する際、高電圧駆動することで2次電子増倍を起こして電荷の量を増やし、感度を高めている。従来の超高感度カメラと違って真空素子を用いないため、耐久性が高く、低価格化が図れる。さらに、小型化が可能で、通常のCCDカメラ並みの運用性を備えるという。

 ただし、EM-CCDは電荷転送部の駆動電圧が高いため、高速駆動を必要とするハイビジョン素子の実現が難しかった。NHKらは、通常1線の水平転送CCDを2線に増やすなどして、増倍部の駆動周波数を従来の半分に下げ、ハイビジョン化に成功した。

 開発したEM-CCD撮像素子は、2/3型FIT 100万画素。可視光に対する感度は2000ルクス、F32(電気ゲインアップ+0dB)、最低被写体照度は0.24ルクス、F1.4(電気ゲインアップ+24dB)で、通常のハイビジョンCCDカメラの約10倍に相当する。近赤外線のみのモノクローム撮影も可能で、NHKらは「近赤外線を照射することで、夜行性動物に気付かれることなく、その生態を撮影することが可能」としている。

 カメラとしての主な仕様は、映像出力がHD-SDI 2系統、大きさが140(幅)×155(高さ)×240mm(奥行き)、重さが3.6kg、消費電力が約50W(12V、4.2A)。

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