セキュリティについていえば、Windows Mobileでは個人や企業のデータを保護するための対策が強化されている。携帯電話本体に格納されているデータを保護するだけではなく、リムーバブルメモリカードに格納されている情報を暗号化することも可能。また、企業はパスワードの定期的な変更を要求するポリシーを設定したり、「111111」や「123456」といったものではなく、より複雑なパスワードの使用を強制することもできる。
Windows Mobile 6には従来のバージョンと同じく、タッチスクリーン版と非タッチスクリーン版があるため、ソフトウェア企業はこれら2種類にあわせて個別のアプリケーション開発を続ける必要があるだろう。
さらに、Microsoftは今回のバージョンからこれら2種類の名前を変更している。タッチスクリーン用である「Pocket PC Phone Edition」を「Windows Mobile Professional」に、そして非タッチスクリーン用である「Smartphone Edition」を「Windows Mobile Standard」に変更している。また、電話機能のないPDA向け用として「Windows Mobile Classic」が用意されるものの、この市場は徐々に小さくなってきている。
O'Rourke氏は、Windows Mobileがストレート型やスライド式、折り畳み型の携帯電話だけではなく、キーボードを備えたデバイスも、備えていないデバイスもサポートしていることに触れ、さまざまなデバイスのサポートが同OSの重要な特徴であると述べている。また同氏は、「1種類(のWindows Mobile)だけですべてのタイプのデバイスに対応することはできない」とも述べている。
非タッチスクリーン版のWindows Mobileを搭載したデバイスはこれまで機能面でかなり制限があったものの、Windows Mobile 6ではその差が小さくなっている。Windows Mobile 6では、タッチスクリーンを採用していないデバイスでも、採用しているデバイスと同様、モバイル版のWordやExcel、PowerPointにアクセスすることができる。
しかし、Windows Mobile ProfessionalとWindows Mobile Standardは両方とも、最初はOffice 2007の新しいファイル形式はサポートしない。サポートされるようになるのは夏の予定であり、テスト版は春にリリースされる予定だ。
Windows Mobile 6でなされた変更のうち、コンシューマーの目には映らないものとして、VoIP通話のサポートがある。Microsoftは個人がVoIP通話することを可能にするソフトウェアは提供しないが、通信事業者やデバイスメーカーが希望すればVoIPをサポートできるような仕組みは用意している。O'Rourke氏は「これは、現時点ではさほど高くはないニーズに対する投資だ」と述べ、「今後12カ月の間に、何らかの(VoIPに関する)パートナーの発表が行われたとしても私は驚かないだろう」と付け加えた。
長期的にみれば、MicrosoftはこれまでPocket PC用とSmartphone用として個別に開発してきたコードを統一する取り組みを続けていくことになるだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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