サンフランシスコ発--Microsoftはここ数年でセキュリティ面を大幅に強化してきたが、さらに多くのデバイスがオンライン化されるに伴い、また新たな問題に取り組まねばならないだろうと、同社の幹部が米国時間2月6日に語った。
Microsoftは先週、これまでのOSおよび生産性スイートの中でも最も安全性の高いと同社が評する「Windows Vista」と「Office 2007」をリリースした。また、Microsoftはセキュリティに注力していくと宣言した「Trustworthy Computing」戦略を同社会長のBill Gates氏が掲げてから、およそ5年が経過した。だからといってMicrosoft製品が完全な防御力を身につけたというわけではない、と同社リサーチおよび戦略最高責任者であるCraig Mundie氏は述べた。
Mundie氏は当地で開催の「RSA Conference」に出席し、Gates氏とともに基調講演を行った。「こうした取り組みを進めても、(製品は)完ぺきにはならない。製品を開発するうえでわれわれが直面し、それらを管理し、使用するうえですべての人々が直面する問題は、人間は結局人間であり、過ちからは逃れられないという事実だ」(Mundie氏)
多様なデバイスがインターネットに接続され、あらゆる場所からデータにアクセスする必要が高まるにつれ、セキュリティ対策は大規模かつ複雑になっていく。「今後の取り組みはよりいっそう困難なものになるだろう」(Mundie氏)
移動中にどこからでもオンラインデータを安全に利用できる環境は、まだ完全には整っていないと同氏は言う。しかし、そうした環境を実現する解決策は、サーバやルータ、スイッチといったインターネットインフラストラクチャ側と、個々のデバイス側の双方で徐々に現れ始めている。
Mundie氏はセキュリティカンファレンスに集まった聴衆に、「われわれは、あらゆるデバイスをまたぐシームレスなアクセスを簡単に実現する仕組みを作り上げようと努めている」と話した。
Microsoftはそうしたソリューションの一環として、次世代インターネットプロトコルのIPv6と、安全なIP通信を可能にするプロトコルセットのIPSecを活用している。Windows Vistaは、間もなく登場する「Windows Server Longhorn」と同様に、IPv6およびIPSecをサポートしている。
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