カナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバーに住むHilary Horlockさんは、2006年の夏、父親のPeter Horlockさんを驚かせようと、彼の80歳の誕生日に合わせて「Both Sides of the Ocean」という題名の本を作った。本は、Peterさんが子供時代に、第2次世界大戦中のロンドンの戦火を逃れるため、家族と離れ疎開していたカナダでの思い出、Peterさんの実母が養母に送った戦時のイギリスを物語る手紙、そして家族の写真などで構成されている。
「この本は、海を越えてやり取りされた手紙の記録だ」とHilaryさんは話す。「記録を読むことも、それをまとめることも、何もかもが素晴らしい体験だった。父がこれほどすごい人だったなんて、まったく知らなかった」(Hilaryさん)
本を作りたい人々を支援する企業はほかにもある。Luluの場合、本の出版、オンデマンド印刷、自由な価格設定が可能だが、売上額に応じた手数料を徴収する。Xlibrisは伝統的な出版社の形態に近い。手数料を徴収し、印税を支払い、原稿の管理とマーケティングサービスを提供する。同様にiUniverseも、印税を支払い、編集と流通サービスを提供して、手数料を徴収している。
米国出版社協会(Association of American Publishers:AAP)の会長兼最高責任者で元下院議員のPat Schroeder氏によれば、既存の出版各社は、オンラインでのオンデマンド印刷の台頭に脅威は感じておらず、むしろデジタル化の波に乗りたいと思っているという。「出版各社は、印刷機や製紙会社やインク会社を所有しているわけではないし、倉庫と流通を伴うビジネスから大喜びで手を引くだろう」とSchroeder氏は言う。「だから今、経費をどんどん抑え、出版事業の効率を向上させることを目指し、すべてをデジタル化しようとしている。ただ、まだそれは達成されていない」(同氏)
サンフランシスコの写真家Christopher Irion氏は、Blurbを利用して、衣装を着せたペットの写真を「Farley's Pet Parade」という本にまとめた。彼は、写真を本にするAppleのiPhotoサービスをはじめ、他社の選択肢も比較検討した末、Blurbを選んだ。「アーティストとしては、iPhotoサービスの写真レイアウトとサイズ変更の機能は貧弱と言うしかない。しかも値段がずっと高い」と同氏は話した。
Irion氏が費やした時間は、本を作るのに6時間、データをBlurbにアップロードするのに1時間半だったという。
「1つだけ注文があるとすれば、もう少し厚い紙が使えれば、ということくらいだ」(同氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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