Linden Labのオープンソースへの移行は同社にとっての重要な時期と重なることになった。現在同社はユーザー数急増の問題への対応と、Second Life仮想世界の大規模なアーキテクチャ改革に取り組んでいる。
同社はSecond Lifeの内部機構の大部分をプロプライエタリな通信プロトコル上に構築していたが、WebページをHTTPで転送し、メッセージをXMLで送信するなど、標準の通信プロトコルへの移行を進めている。
Ondrejka氏がメリットの1つとして挙げているのは、新しいアーキテクチャによって、Linden Labが複数のサーバを同時にアップグレードでき、その一方でクライアントも自分のペースで新しいViewerソフトウェアに移行できるようになるという点だ。現在のところ、Second Lifeの仮想世界をアップデートするには、Second Lifeのグリッド全体を停止して、すべてのViewerをアップデートする必要がある。もう1つのメリットは、これまでWeb標準に合わせて開発されてきたさまざまなテクノロジをSecond Lifeに導入できることだという。
新しいインターフェースに伴う変更点の1つは、Novellの「Mono」ソフトウェア(オープンソースのMicrosoft .NETプログラミング環境)上でスクリプトを実行できるようになることだ。Monoの実行速度はLinden Labの現在の方法よりも格段に速い。移行によってより洗練されたプログラミング環境が得られるわけだ。
Ondrejka氏は次のように語る。「例えば、来店客に対応するAI(人工知能)オブジェクトを作りたい、あるいは、さまざまな要求にインタラクティブに反応する有能なツアーガイドを作りたいといった希望があっても、現在のところLinden Scripting Language(LSL)は、そこまでインテリジェントなオブジェクトを開発するためのパフォーマンスを提供できていない」
Ondrejka氏は、こうした一連の動きから、本格的な3Dグラフィックビューア機能がなくてもSecond Lifeから情報を抽出できるソフトウェアが生まれてくるだろうと期待している。
「Second Lifeをゆっくりのぞいたり、Second Lifeのデータを取り出したりといったことが、さまざまな形で可能になるだろう」(同氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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