AVインターフェースは、HDMI1.2a出力端子を備えるほか、専用のAVマルチ端子を備え、専用D端子ケーブルやAVケーブルでテレビへのHD出力が可能。VIERA Linkにも対応し、同社製のVIERA Link対応テレビと連携して、TVリモコンで本機の電源や入力切り替えなどの連動が可能だ。
編集機能はシンプルで、プレイリスト機能などは備えていないので、本体だけで凝った編集はできない。DVD化や編集したい場合はPCへ転送して行うことになる。
また、メモリーカード記録であるため、撮りっぱなしではなく、PCなどに転送して保存する必要がある。HDDカメラに比べると記録時間が短いので、こまめに転送する必要があり、転送の手間をいとわない人向きといえるだろう。
パソコンとの連携は、メモリーカードまたはUSB 2.0端子で行う。付属のPC用ソフトウェア「HD Writer Ver.1.0J for SD1」を使えば、再生のほか、シーン削除・分割・結合などの簡易編集、DVDトップメニューの作成、AVCHD規格でDVDへの書き出しが可能だ。
ソフト自体はとても理解しやすく、PCへの取り込みから編集、DVDへの書き込みまでをウィザードスタイルで行える。とはいえソフト操作に手間と時間がかかり、頻繁に行わなくてはならないため、こうした作業を面白いと思える人向きのカメラといえそうだ。
また、AVCHD規格ではHD映像のままDVDに記録できるが、現状では再生に対応した機器が少ないことも覚えておきたい。なお、本機で撮影し、本ソフトで作成した12cmのAVCHD規格DVDは、AVCHDに対応している「PLAYSTATION3」で再生できた。
PC操作が手間という人には、同社のBlu-rayレコーダー「DMR-BW200/100」のメモリーカードスロットを使って、BD-REディスクに転送することも可能だ。この場合、DVDやAVCHD形式のDVD記録はできず、転送可能なメディアはBD-REのみになる。また、旅行時などの一時保存用として、400GバイトのHDDを備えたストレージャー「VW-PT2」も別売されている。
ムービーの画質は、3CCDカメラらしい記憶色重視のカラフルな画作りだ。色が飽和気味でコントラストの狭さは感じるが、草花をテレマクロで撮ると実物以上に鮮やかに撮影できる。色彩感に溢れたHD映像を見ると、見慣れた日常がリアルでありながらも別の世界に思えるから不思議だ。遠景と近景ともに解像感が高く、特に色の輪郭にキレがあり、民生用カメラの甘さを感じさせないところは素晴らしい。最高画質のHFモードでは、圧縮ノイズはほとんど目立たない。転送レートの低いHEモードでは、空やビル壁面などの大面積部分にスムージングがかかるが、破綻した映像にはならない。
HDシリコンムービーは黎明期にあり、最終保存と編集、再生の環境が整っていない、というネックは本機でも万全に解消されたとはいえないだろう。コストも意外にかかる。旅行やイベント撮影には予備のメモリーカードやバッテリーが必要になり、PCレスで手軽に使うためには、同社のBlu-rayレコーダーを購入する必要が出てくる。こうした課題はあるものの、HDムービー初代機ながら、同社ビデオカメラとSDムービーのノウハウを結集した本機の完成度は高い。特にフットワークの良さと、パナソニックらしい万人向けの画質の良さが魅力といえるだろう。
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