ボストンを拠点とする法律事務所Bromberg & Sunsteinの共同創設者であるBruce Sunstein氏によると、CiscoはiPhoneという商標を所有しており、すでにこの名称の製品を発表しているため、今回の訴訟において明らかに優勢な立場にあるという。「商標登録をした者の方が有利だ」(Sunstein氏)。
Appleに残された唯一の選択肢は、「iPod」「iTunes」「iMac」のようにiで始まる商標を登録していることを主張し、他社が「iPhone」という名称を利用しても、製造元について消費者が混乱するだけだと主張することだとSunstein氏は述べた。これが全く論外な主張だというわけではないが、製品ファミリを引き合いに権利を主張するAppleよりも、商標を保有するCiscoの方が優勢であると同氏は述べた。
またSunstein氏によると、他国で商標を申請しても、Ciscoが所有するiPhoneの商標には何の影響も与えないという。「オーストラリアでAppleが有利な権利を保有していたとしても、それと米国における権利とは何ら関係がない」(Sunstein氏)
Ciscoは1月9日、AppleがiPhoneを発表する前夜に同社に対し書面を送付したと述べたが、AppleのKerris氏は、AppleがCiscoから書面を受け取ったかどうかを含め、両社間の交渉状況について一切コメントしなかった。
米国では、商標に関する訴訟は、13の項目に照らし合わせて審議される。それらの項目には商標の類似性やその知名度などがあり、重要な項目としては消費者の「混乱を実際に招く」ものであるかどうかがある。
類似分野における同一の製品名をめぐる過去の訴訟では、先に商標を取得した側の主張が認められてきた。
連邦控訴裁判所による2003年のある判決では、「Red Bull」という名称のテキーラを販売する企業が商標を申請したが、Schlitzが製造するモルツ飲料がRed Bullという名称ですでに商標登録されていたため、2つのアルコール飲料に「混同のおそれ」をもたらすとしてこの企業の申請を退けている。
連邦法の下では、商標に関する訴訟に敗れた者は、対象となる製品の販売により得た利益のすべてを没収され、マーク、ラベル、パッケージを破棄するよう命じられる可能性がある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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