MicrosoftとNovellの提携では、MicrosoftがNovellの「SUSE Linux Enterprise Server」を35万本販売することと、SUSEユーザーを特許侵害で訴えないことが合意された。また、両社はソフトウェアの部品間に互換性を持たせる作業にも取り組んでいる。MicrosoftはNovellに対し、5年間で3億800万ドルを支払うが、その大半はNovellがMicrosoftを特許関連の問題で訴えないようにするための対価。
しかしAllison氏によると、NovellとMicrosoftの提携は、SambaやLinuxカーネルを管理するGNU General Public License(GPL)には理論的に違反していなくても、特定のプログラムの権利をすべてのユーザーに平等に与えるというオープンソースの信条に反するという。
「私が問題にしているのは、この提携がライセンスの条文には違反していなくても、Sambaのコードをリリースする際に採用したGPLライセンスが趣旨とする、コードの受領者全員を平等に扱うという点に反すると考えるからだ」とAllison氏は述べている。
この提携は、オープンソースコミュニティーとの間にしこりを残した。Free Software Foundationを設立し、最初のGPLを策定したRichard Stallman氏は11月、NovellとMicrosoftの提携はGPLのバージョン2には違反していないが、策定中のバージョン3ではこのような提携を排除する、と語っている。
Linuxでライバル関係にあるRed HatもNovellの行動を非難した。Red Hatの主任弁護士の1人、Mark Webbink氏は自身のブログで、Novellの行為を英国のNeville Chamberlain元首相が第2次世界大戦前に行った有名な発表にたとえ、「融和政策だ。信条を犠牲にした」と非難した。
また、一部の事項を廃案にしてはいるものの、NovellとMicrosoftはこの提携を擁護している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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