ソニーBMGは、コンピュータに顧客の許可なしに海賊行為防止ソフトウェアをインストールした件に関して、カリフォルニア州とテキサス州において賠償手続きを進めている。しかし、同社が顧客との関係を悪化させたこの一件に片をつけるまでにはまだ相当の時間がかかりそうだ。
ソニーとBertelsmann Music Group(BMG)が共同運営するソニーBMGは米国時間12月19日、カリフォルニア州とテキサス州において、150万ドルの罰金と、同社が顧客の許可なしにインストールしたデジタル著作権管理(DRM)ソフトウェアが原因でコンピュータに被害を受けた顧客に対する賠償金の支払いに同意した。同社はこの件に関して、カリフォルニア州およびテキサス州と合意に達したことに満足していると発表した以外、コメントを控えている。
しかし、同社にとっては、カリフォルニア州とテキサス州における和解で「rootkit」騒ぎが終わりになったというわけではない。ソニーBMGはマサチューセッツ州、ネブラスカ州、フロリダ州を含む13州において、まだ集団訴訟を抱えている。そして、ロサンゼルス群で地方検事代理を務め、同社を相手とするカリフォルニア州の訴訟に加わったJeff McGrath氏によれば、これらの州でも同様に和解に向かうだろうという。同氏はさらに、米連邦取引委員会(FTC)が2006年になってから開始した調査もソニーBMGに暗い影を落としていると述べている。なお、FTCの広報担当者からのコメントを得ることはできなかった。
ソニーBMGのDRMに関する騒動は、2005年10月にあるコンピュータプログラマーが同社製CDの内の1枚が自身の使うコンピュータの音楽コピー機能を制限していることを発見したことで始まった。このプログラマーは、自身のコンピュータでCDを聴けるようにするためにソニーBMGのソフトウェアをインストールしたのだが、その際、当人の知らないうちにDRMプログラムもインストールされていた。そしてこのDRMプログラムによって、CDのコピー回数が制限され、保護されていないMP3ファイルを作成することができなくなってしまった。また、このDRMプログラムを悪用すると、悪質なプログラムをユーザーのPC内に隠すことができてしまう。この機能は「rootkit」として知られている。
ソニーに関する評論家によれば、本件によってソニーBMGは追いつめられ、同社の信頼を台無しにしてしまったという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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