Dellの会計処理に関する米証券取引委員会(SEC)の調査が続行する中、同社最高財務責任者(CFO)のJim Schneider氏が2007年1月に同職を退任する。
Dellは米国時間12月19日、American Airlinesの親会社AMRの前最高経営責任者(CEO)兼最高財務責任者(CFO)であったDonald Carty氏が、Schneider氏の後任となることを発表した。Carty氏は1992年からDellの取締役を務めており、監査委員会の委員長でもある。同監査委員会も独自にDellの会計処理を調査している。
Carty氏は取締役としての地位を維持し、副会長兼最高財務責任者(CFO)に就任すると思われる。同社関係者によると、同氏は1月2日から公式にCFOとしての職務を開始するが、Schneider氏も1月末まで同社に残り、Carty氏への引継ぎを支援するという。
同社関係者によると、Schneider氏は「引退」するとのことだが、同氏はFrontier Bancsharesの取締役会の議長に就任することになっている。Frontierは、Dell本社があるテキサス州ラウンドロックの近くのオースティンを拠点とする銀行持株会社である。
Schneider氏は1996年からDellに勤務し、2000年にCFOに就任した。同氏がDellに入社した当初は、同社はまだパソコン市場を主導する企業の1つへと成長している段階であったが、その後には直接販売と厳しい在庫管理による急成長を経験した。この10年間のはじめには、競合企業がドットコムバブル崩壊の余波に悩まされる中、Dellは何四半期もの間、売り上げおよび利益において確実な成長を遂げてきた。
しかしこの1年はDellにとって財政的に満足のいく年ではなかった。同社はデスクトップパソコンの需要低下に苦しみ、何度か目標利益を達成することができなかった。また2006年は会計処理も調査を受けることになり、Dellは会計問題が明らかになるまでSECへの決算報告を延期せざるを得ない状況に陥った。
2007年にDell幹部に加わるのはCarty氏のみではない。同社は複数の職務において新しい幹部を迎え、2007年をスタートする予定である。また、同社は、顧客により注力するため、新しく設けた2事業部に製品群を整理して組み入れている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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