同教授はさらに、一軒家の獲得に向けてペーパークリップから始めた物々交換を成功させた、有名な「ネット版わらしべ長者」Kyle MacDonald氏のケースを挙げた。
「MacDonald氏には莫大な額の税が課せられる。クリップ(の価値)で、家(の価値)を得てしまったからだ」(Camp教授)
ただし、MacDonald氏はカナダ人なので、税金についてはCamp教授の専門外であるカナダの税法が適用されることになる。
それでも、Camp教授の言わんとすることは、十分に理解できるものだ 。IRSが実際に税の徴収に動くかどうかにかかわらず、納税義務を判断するためには、取引から生まれた利益を算出する必要があるのだ。
Camp教授は現在、法律雑誌向けの論文を執筆している。その中で、仮想資産の譲渡で生まれた利益の少なくとも一部には、課税対象から外すべきものがあると論じる予定だという。
そしてMiller氏が、上下両院合同経済委員会では次の3つの目標を盛り込んだレポートを2007年早々に完成させる予定であると語り、セッションを締めくくった。
第1に、税、サイバー犯罪、教育といった、仮想世界と公共の秩序がつながる分野に取り組むとともに、委員会のメンバーにこれらの問題への理解を促す。
第2に、営利団体、非営利団体、行政組織を運営主体と想定し、仮想世界の将来的な運用方法を規定する。
第3に、仮想世界で生まれている税の問題を個別的に調査する。
Miller氏は「委員会では今後、仮想世界ではどのような活動が課税対象になるのかといった、具体的かつ専門的な課題を検討していく」と述べた。
それによってDibbell氏の問いの焦点が見えてくるはずだ、とMiller氏は語る。
「遅かれ早かれ、議会とIRSは必ず動く。これが明らかになったことが今回のシンポジウムの大きな成果だろう」(Miller氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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