有限責任中間法人ECネットワークは12月11日、インターネット取引に関するトラブル対応者向けのセミナーを開催した。依然として通販・オークションに関わるトラブルが多い現状を解説。当該事業者に向け、トラブルに悩む顧客対応のノウハウや今後の展開について紹介した。
ECネットワークは次世代電子商取引推進協議会(ECOM)で行ったADR(代替的紛争解決)実証実験の期間満了に伴い、その成果を引き継ぐ民間非営利組織として2006年4月に設立した。現在、会員向けサービス(情報提供、コンサルティング、ADR)、一般消費者向け無料相談、国際連携活動--を活動の柱として展開している。
会員企業数は53社(12月11日現在)。NTTドコモやKDDI、楽天など大手事業者のほか、中小企業や関連団体が参加している。
一般消費者からの相談件数については、設立から2006年11月末までの間に累計で373件。通販とオークションでトラブルの7割強を占める。オークションの通常サービスによる被害は減ってきているが、利用者同士による直接取引による“オークション外”の被害は引き続き多い。また、「次点」と呼ばれる競り合った末に落札できなかった人を狙った詐欺も多いという。
オンライン相談のノウハウについては、「相談を受ける際の心構え」「回答文の作成法」「回答文中で使用する表現の具体的テクニック」--などに焦点を絞って講演。具体的には、来所および電話相談と比較したメール相談のメリットとデメリットについて、「メールは時間を選ばず対応できるなど優れている面もあるが、データが残ってしまうので掲示板などにそのままの形で文章が載せられてしまう危険性もある」(理事の原田由里氏)などとした。
今後も各種セミナーを用意する一方、順次、関連団体との提携を推進。中長期的な計画としては、研究事業およびインターネット関連ADR事業に注力していく方針だ。
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