では気になるノイズキャンセル効果はどうだろうか。地下鉄、繁華街などさまざまな場所で試してみたが、効果は抜群。カットされる音域も広いようだ。特に低域はノイズキャンセル能力は高い。例えば電車内の空調音、エンジン音などはほとんど聞こえない。地下鉄の車内で反響している“ゴー”という音もかなり抑えられる。あらゆる場所で普段より小さめの音量で充分に音楽を楽しめた。
音質もオーディオメーカーの実力が充分に感じられる作りで、音そのものをきっちりとモニターのように聴かせる。音の鮮明さが前に出ており、それぞれの音色をきれいに聞かせてくれる。例えばギターの音色やボーカルなどの輪郭ははっきり聞こえるので、楽器の音色そのものを楽しみたい人向きだ。
ただ、それぞれ鮮明な1つ1つの音が、きっちりと頭内で定位するので、曲のもつ雰囲気はニュアンスをゆったり味わいたい人には向きづらい印象も……。この辺りは人それぞれの好みによるので、試聴して判断して欲しい。またノイズキャンセルをオフにすると低域が若干さみしい印象になるので、できればオンにして使用したいところだ。
イヤーパッドは厚めに設計されているが、両耳を押さえる力がやや強い。遮音性は高いが、長時間使用していると痛く感じるかもしれない。
本機にはノイズキャンセリングヘッドフォンとしては珍しく、「SRSヘッドフォン」モードも搭載している。ポータブルDVDプレイヤーで映画を試聴したが、ヘッドフォンで試聴していても再生音が頭の中心に集まることなく、高いステレオ効果を発揮している。このモードの搭載により、ノイズキャンセルモード、ノイズキャンセル+サラウンドモード、オフモードと3つのモード切替が可能だ。
一番のキモとなるノイズキャンセル効果は抜群。1万円を切る価格設定を加味すると、数あるノイズキャンセルヘッドフォンの中でも出色の出来栄えだ。オーバーヘッドフォンの最大の弱点である持ち運びの不便さを、独自性の高い折りたたみ方法を編み出すことによってクリアし、音質もオーディオメーカーの威厳を感じられる。イヤフォンタイプからの乗り換えを考えている方も納得できる仕上りだ。現時点でこの価格帯のノイズキャンセルヘッドフォンとしてはまさに買いではないだろうか。
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