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デザインから見るデジタルプロダクツ第2回:ソニー「ウォークマンNW-S700F/S600シリーズ」 - (page 2)

インタビュー・文:山口優2006年11月29日 17時46分
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こだわりの発色を実現したカラーバリエーション

--今回の製品は、パネルの色も印象的ですね。

森澤 Aシリーズをつくったとき、音を表す色ということでバイオレットを選びました。今回も、そのバイオレットを軸にカラーバリエーションを展開しています。

伊藤 よく見ていただくと分かるんですが、S700FシリーズとS600シリーズではダイキャスト部分の表面処理が異なるんです。それに合わせて、同じ色でも、S700FとS600では、濃度を微妙に変えています。たとえば、S600シリーズのピンクは、S700Fシリーズのピンクより薄目に仕上がっているんです。そのため、ソニースタイル限定のエボニーブラウンを合わせると、全部で8色のバリエーションがあるということになります。

渡辺 パネルは、生地自体に色がついているんですが、非常に薄い色で透明に近いんです。それを裏面からミラーを蒸着することによって、色を際立たせています。だから、パネルから透けて見えるカラー液晶の色味には影響を及ぼさないんですよ。あと、パネルの表面にはサングラスのレンズに使われるハードコーティング技術を使っています。そのため、傷もつきにくくなっています。

森澤 ソニースタイル現定色のエボニーブラウンに関しては、ダイキャスト部分の色も異なります。電気製品の枠組みを超えてモノとしての存在感を出したかったので、イギリスから輸入したクロムのメッキを使って深みのある色を出し、高級腕時計のような質感をつけています。ですから、個人的にはこの色と、シリーズの軸となるバイオレットの2色にはとくに思い入れがありますね。最初のモックもこの2色でつくったんですよ。

ウォークマンカラー比較 発色にとことんこだわって作られたカラーバリエーションは全8色。両シリーズにラインアップされているピンクもS600が薄く(左)、S700F(右)が濃い目に仕上がっている。バイオレットはウォークマンの基本カラー、エボニーブラウンはソニースタイル限定色だ

--製品の完成度が非常に高いという印象的ですが、大量生産時にクオリティを保つために何か工夫していますか?

渡辺 まずは、組み込み時のバラつきを少なくするために、簡単に組めるようにしてあります。表と裏を見比べると分かるんですが、パネルの間口の大きさが若干異なります。パーツを組み込みやすくするために、裏の間口を少し大きめにとっているんです。あとは、中のパーツをビスで固定して、簡単には動かないようにしています。

森澤 間口については、最初は表裏同じ大きさにしてほしい、と要望を出していました。しかし、それだと組み込めなくなってしまうということだったんです。それで、図面に赤ペンで描き込んで、「ここは譲るからここだけちょっとちょうだい」とか(笑)。メンバーそれぞれ、絶対に譲れない部分はそうやって密にコミュニケーションを取りながら調整していったんです。

--ウォークマンの今後の展開について教えてください。

伊藤 モノへのこだわりというのが、ウォークマンのDNAです。そういった部分を引き継ぎながら、新しい感動をお客様に提供していきたいですね。

渡辺 ウォークマンの原点は、お客様に「音で感動してもらう」ことにあると思うんです。それには、ヘッドフォンを改良しただけではダメですし、本体の中身を変えただけでもダメなんです。さまざまな要素技術を集めて、ひとつのパッケージにしてはじめて驚きを与えられる。その意味で、デザインと技術は切り離せない部分があります。今後も、お客様に感動していただける製品を作り続けていきたいですね。

森澤 デザインに関して言えば、現在のウォークマンはAシリーズが原点になっています。伝えたいメッセージというのは変わらないので、今後も基本部分でそれを継承しながら新しい形を提案していきたいですね。もっとも、それが今回のように曲面で構成したものなのか違う形になるのかは、今はまだお話しできませんけれど。

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