間近に迫った2006年の感謝祭には、七面鳥ばかりでなくスパムもたっぷりと味わえそうだ。
従来のマスメール業者は年の暮れに活気づくのが常であるが、2006年は、かつてないほど大量のジャンクメールが出回る可能性があると、スパム対策ツール企業は指摘している。業者らは、実りある収穫を祝う感謝祭に向けてすでに未承諾広告をユーザーに送り出しており、さらにはクリスマスの到来も待ち遠しそうにしているというのである。
「一般的な小売店がハロウィンの前から陳列棚を飾り付け、ギフト用商品を並べ始めるのと同様に、2006年はスパマーも贈答シーズンに焦点を合わせた広告メッセージを、早いうちから送信している」と話すのは、カリフォルニア州マウンテンビューに拠点を置くセキュリティアプライアンスメーカーBarracuda Networksで、製品管理担当バイスプレジデントを務めるStephen Pao氏だ。
IronPort Systemsの調べによれば、2005年10月時点で1日平均310億通送信されていたジャンクメッセージが、2006年同月には630億通へ激増したという。ほかにも、スパム対策企業MessageLabsが、10月に送信された全電子メールの88.7%が未承諾広告だったと発表している。この割合は、11月および12月にはおよそ90%に達すると見られている。
結果的に、迷惑メールの総数は膨大なものになるだろう。IronPortでは、12月の1日当たりスパム送信数は2005年の380億通から大幅に増加し、平均780億通に上ると予測している。
インターネットサービスプロバイダー(ISP)やスパム対策企業は互いに手を携え、スパムの猛襲を退けようと力を尽くしている。だが両者の戦いは所詮はいたちごっこに過ぎず、今現在はスパマーがISPらの裏をかいていると専門家は言う。Forrester ResearchのアナリストNatalie Lambert氏も、「スパム対策ベンダーは苦戦を強いられている」と述べた。同氏によれば、「最高の技術を持つベンダーはスパムの98%をブロックできる」が、これは同時に2%のスパムを取り逃がすことを意味している。現在のスパムの流通総数から計算すると、わずか2%でもたいへんな数になるとLambert氏は説明した。
専門家は、年末商戦期近くになるとメッセージを開封するユーザーが増えるため、毎年この時期はスパムも増加すると話している。クリスマス前にはオンラインショッピングをする機会が多くなり、贈り物のアイデアをネットで探し、電子グリーティングカードをやり取りするユーザーも見られるようになる。スパム業者はこうした状況に乗じて、偽の注文確認メッセージや電子カードを送りつけたり、みずからの製品をギフトとしてアピールしたりするわけだ。
「スパムメールで偽物のロレックスを売りつける輩がいる一方で、偽物のロレックスをクリスマスプレゼントにする人々がいる。われわれは、感謝祭のある週には祝日関連のスパムが最大50%増加し、この傾向が正月まで続くと考えている。どうやら2006年の年末商戦期は、過去最大かつ最長のスパムシーズンとなりそうだ」(Pao氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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