映画情報サイト「cinemacafe.net」を運営するカフェグルーヴは11月20日、映画レーベル「cinemacafe films」を設立すると発表した。過去のヒット作品のサイトアクセスやブログでの話題度をもとに作品の興行成績を予測し、国内外の独立系作品を中心に出資、配給する。
カフェグルーヴではこれまでcinemacafe.netや映画の公式サイトの制作、運営をしてきており、映画作品ごとのウェブアクセスデータを保有している。また、7月からはシーエーシーのkizasi.jpの技術を利用し、ブログ上で話題になっている映画のランキングを「BLOG BUZZ」として提供している。これらのデータを元に、ヒット作品のサイトアクセス動向などを解析し、cinemacafe filmsで手がける作品の選定に活用する。
また、作品の宣伝にはブログやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などを通じた口コミに力を入れていく方針だ。例えば、ブロガーを対象にした試写会などを検討しているという。
カフェグルーヴが自社レーベルの設立を通じて狙うのは、映画のオンデマンド配信だ。現在は映画の劇場公開が終わってDVDが発売された後にインターネットで配信される場合が多いが、同社では劇場公開とインターネット配信を同じタイミングで開始したい考えだ。
「宣伝効果が最も高まっている劇場公開時にインターネットで配信することで、映画館が遠くにある地方の人や、忙しくて映画館に足を運べないような人でも観られる。これまでインターネット配信では作品1本あたり数百円で配信していたが、時期を映画公開に合わせることで映画館と同じ単価でも見てもえるのではないか」とカフェグルーヴ代表取締役社長の浜田寿人氏は期待を寄せた。
出資、配給作品数は年間12本程度で、出資額は年間1億円程度となる予定。「インターネットでの宣伝活動に強みを持っているため、大手配給会社からウェブマーケティングも含めた出資、配給の相談を受けることもある。自社でも作品の買い付けは積極的にしていくが、単独買い付けにはこだわらない」(浜田氏)
第一弾は2007年春公開の松竹が配給する映画「カンバセーションズ」、第二段はカフェグルーヴが初めて単独で買い付け、自社配給する「約束の旅路」。今後は日本映画の世界配給もしていく考えとしている。
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